経営事項審査とは?「手続きの基本」を専門家が解説

(最終更新日:

このページは、経営事項審査の申請手続きの専門家である行政書士法人スマートサイドが、はじめて経営事項審査を受ける人のために「経営事項審査の手続きの基本」について、丁寧にわかりやすく記載したページです。なお、わかりやすさを重視しているため、詳細な説明は割愛していますので、「経審の基本を簡単に知りたい」という建設会社さまにお勧めのページです。

P点の詳しい計算方法や実務的な対策については、「簡単にわかる-経審点数(P点)の見方・目安・計算方法」のページで詳しく解説しています。

監修者写真

東京都の経営事項審査や公共工事の入札参加資格取得の専門家。入札の格付けをEからBにランクアップした実績や、クライアントが2億円を超える東京都の公共工事を受注するなど、専門知識をフルに使って、建設会社の公共工事の入札をサポート。「はじめての方のための経営事項審査入門書」を出版。東京都の公共工事の手続き・入札戦略に関するインタビューは、こちら。

(動画で解説:経営事項審査手続きの流れ)

「経営事項審査や入札参加資格申請の手続きのやり方がわからない…」という理由で、公共工事へのチャレンジをあきらめてしまっている人は、非常にもったいないことをしています。経営事項審査の手続きの流れを動画で簡単に理解したいという人は、ぜひ、YouTube動画をご覧ください。

【1】経営事項審査(経審)とは何か?

経営事項審査(略して「経審(けいしん)」)とは、公共工事(国又は地方公共団体等が発注する建設工事)を発注者から直接請負おうとする建設業者が、必ず受けなければならない審査のことです。

つまり、役所などの公共機関から公共工事を直接受注したい、公共工事の入札に参加したい、という建設会社は、必ずこの経審を受けておく必要があります。

根拠となっているのは、建設業法27条の23です。

第二十七条の二十三 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。
2 前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。
一 経営状況
二 経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項
3 前項に定めるもののほか、経営事項審査の項目及び基準は、中央建設業審議会の意見を聴いて国土交通大臣が定める。

条文は少し読みにくいですが、要点は次の3つです。

  • 公共工事を発注者から直接請け負うには、審査を受けなければならない
  • 審査は「経営状況」「経営規模・技術的能力など」を数値で評価することにより行う
  • 審査の項目や基準は、国土交通大臣が定める

まずは、経営事項審査は、「公共工事を役所から直接受注するため」「公共工事の入札に参加するため」に、必ず、受けておかなければならない手続きであると理解しておきましょう。

(目次に戻る↑)

【2】経審を受けるとできること(公共工事の入札に参加できるようになる)

経審を受けると、業種ごとに「総合評定値P点」という点数が算出されます。この点数は、いわば会社の“経営の健康診断結果”のようなもので、点数が高いほど、より規模の大きい公共工事の入札に参加できるようになります。

以下は、東京都が発注する建築工事における等級と発注標準金額の目安です。

経営事項審査の点数(P点) 等級 発注標準金額
900点以上 5億7千万円以上
750点以上900点未満 2億8千万円以上5億7千万円未満
650点以上750点未満 7千8百万円以上2億8千万円未満
600点以上650点未満 2千1百万円以上7千8百万円未満
600点未満 2千1百万円未満

(注)等級は、経営事項審査の点数(P点)のみで決まるわけではなく、主観点数も加味して総合的に決定されます。

つまり、経審を受けて終わりではなく、その結果次第で「参加できる工事の規模」が変わってくるという点が重要です。だからこそ、経審は「受けること」自体よりも「どのような結果を得るか」が本質的な意味を持ちます。なお、経審を受けただけでは入札に参加できるわけではなく、経審後に自治体・公共機関への入札参加資格の申請も必要になります(東京都であれば「東京都電子調達システム」を利用)。

「自社は、どのくらいの規模の工事に参加できるのか?」

P点は、業種ごとの完成工事高や技術職員数、財務状況など様々な要素で決まるため、実際に算出してみないと、自社がどの等級に該当するかは分かりません。

私たち行政書士法人スマートサイドでは、これまで入札の格付けをEからBにランクアップさせた実績や、総合評定値P点を197点アップさせた実績があります。「今より上の等級を狙いたい」「自社の点数の目安を知りたい」という方は、お気軽にご相談ください。

→事前予約制の有料相談のお申込みはこちら

(目次に戻る↑)

【3】経審の申請から結果通知までの流れ(図で解説)

経審は、以下のような流れで進みます。

経営事項審査の手続きの流れ(図)

①決算変更届の提出→②経営状況分析(Y点の算出)→③経営規模等評価の申請(X1・X2・Z・W点の算出)→④結果通知書の受領→⑤入札参加資格の申請

① 決算変更届の提出(許可行政庁)
自社の決算日を基準に、経審の審査対象となる財務諸表や工事経歴書一式を、決算変更届として提出します。

② 経営状況分析(Y点)の申請
登録経営状況分析機関に対して、財務諸表をもとにした「経営状況(Y点)」の分析を申請します。

③ 経営規模等評価の申請(許可行政庁)
Y点の分析結果が出たら、許可行政庁(東京都知事許可であれば東京都庁など)に対して、経営規模(X1・X2)・技術力(Z)・その他の審査項目(W)を含めた「経営規模等評価」を申請します。

④ 結果通知書の受領
審査が完了すると「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が届きます。ここに記載されている総合評定値P点が、経審の最終的な結果です。

⑤ 入札参加資格の申請
結果通知書を受け取った後、参加したい自治体・公共機関へ入札参加資格を申請して、初めて入札に参加できるようになります。


▶ここまでが「決算から結果通知書受領までの流れ」の全体像です。実際にどのくらいの日数がかかるのか、次の章で解説します。


(目次に戻る↑)

【4】経審にかかる費用と期間の目安

費用(申請手数料)

経営事項審査の申請には、手数料がかかります。行政庁に対して支払う法定の手数料ですので、申請手続きを行政書士に外注するか否かに関係なく発生する手数料は、以下の通りです。なお、実務上は、3~5業種程度で申請されるケースが最も多く、目安としては16,000円~21,000円前後の手数料になることが一般的です。

業種数 手数料 業種数 手数料 業種数 手数料
1業種 11,000円 2業種 13,500円 3業種 16,000円
4業種 18,500円 5業種 21,000円 6業種 23,500円
7業種 26,000円 8業種 28,500円 9業種 31,000円
10業種 33,500円 11業種 36,000円 12業種 38,500円
13業種 41,000円 14業種 43,500円 15業種 46,000円
16業種 48,500円 17業種 51,000円 18業種 53,500円
19業種 56,000円 20業種 58,500円 21業種 61,000円
22業種 63,500円 23業種 66,000円 24業種 68,500円
25業種 71,000円 26業種 73,500円 27業種 76,000円
28業種 78,500円 29業種 81,000円

申請手数料は、申請業種が1業種の場合は11,000円で、その後、申請業種数が1業種増えるごとに+2,500円の手数料が加算される計算になっています。

(実務上の注意点)
経営事項審査は、建設業許可を持っている業種でのみ申請することができます。たとえば、管工事の建設業許可しか持っていないのであれば、管工事の経営事項審査を受けることができますが、内装工事や建築工事の経営事項審査を受けることができません。「許可業種でのみ経営事項審査を受審できる」という点についても、事前に押さえておいてください。

期間の目安

一般的には、決算確定後、決算変更届の提出・経営状況分析の申請から結果通知書の受領まで、数カ月単位の期間を要します。3月末決算の会社の場合、以下のようなスケジュールで経審を受審するのが1つの目安になります。経営事項審査の標準処理期間は、東京都の場合、21日とされています。申請してから、結果通知書の受領まで、おおむね1か月程度の余裕をもっておくようにするとよいでしょう。

月日 スケジュール
3月末 決算期到来
5月末 税務申告期限
7月中 決算変更届の提出
経営状況分析の申請
8月~9月 経営事項審査申請
10月中 経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書受領

(注)経審の結果である総合評定値P点の有効期間は1年7カ月です。継続して公共工事に入札したい場合、毎年(決算日を基準に)経審を受け続ける必要があります。

なお、弊所で代行させていただいた場合、ご依頼から経営事項審査の申請まで、平均1か月程度で完了しています。どうしても急ぎで経審を受審したいとお考えの人は、下記の実績ページもご参考ください。

(目次に戻る↑)

【5】経審を初めて受けるお客さまがつまづくポイント

このページの最後に、これから経営事項審査を受けようとお考えのみなさんが、知っておくと役に立つ経営事項審査の基本的知識について、いくつかご紹介させて頂きます。すでにご存知の知識もあるかもしれませんが、どれも、今後、経審を受ける上において、必須の知識です。

1.経審が受けられるのは、「許可を持っている」業種のみ

「経営事項審査を受けられるのは建設業許可を持っている業種でのみ」になります。どんなに実績があったとしても、建設業許可を持っていないとその業種の経審を受けることはできません。まずは、自社にとって必要な許可業種を正確に把握することが第一歩となります。

2.完成工事高0円でも、経審は可能

「経審を受けられるのは、許可業種のみ」ですが、他方、建設業許可を持っていれば完成工事高が0円であったとしても、経営事項審査を受けることができます。

たとえば、御社が「電気工事」と「管工事」の2つの建設業許可を持っていたとします。「電気工事」と「管工事」の2つの建設業許可しか持っていないため「建築工事」や「内装工事」の経営事項審査を受けることができないのは上述した通りです。

他方、仮に「管工事」の完成工事高が0円であったとしても「管工事」の建設業許可を持っているので「管工事」で経営事項審査を受けることはできるのです。もちろん、完成工事高が0円であれば、経営事項審査の結果(総合評定値P点)は、低くなることが予想されます。しかし、完成工事高がないと経審を受けることができないというのは、間違いです

3.経営事項審査の手続きは、毎年、必要

継続して公共工事の入札に参加したいのであれば、経営事項審査の手続きは、毎年必要になります。経営事項審査の結果である総合評定値P点は、決算日の会社の状況を基準に算出されます。たとえば3月末決算の会社であれば、3月31日を審査対象基準日として経審を受けることになります。

経審の結果である総合評定値P点の有効期間は1年7か月と決められています。そのため、翌事業年度の3月31日を迎えた場合には、再度、翌事業年度の3月31日を基準とした経営事項審査を受けなければなりません。

公共工事の入札に参加したいという意思がある以上、経営事項審査を毎年受けるようにしてください。

4.経営事項審査を受けただけでは、入札に参加できない

経営事項審査を受けたからと言って、すぐに、入札に参加できるわけではありません。経営事項審査を受けて、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書(総合評定値P点)」を受領した後は、自治体や公共機関への入札参加資格の申請が必要です。たとえば、東京都の入札に参加したいのであれば、経審を受けたあとに「東京都電子調達システム」を利用して、入札参加資格を電子申請し、入札参加資格を取得しなければなりません。

経営事項審査を受けただけでは、自治体の入札に参加することができませんので、経審が終わった後は、入札参加資格を取得する準備を怠らないようにしてください。

5.X1(完工高)・X2(自己資本額)の算出方法の選択で点数が変わる

経営事項審査は、とても難しい手続きです。そして、経営事項審査は、申請の仕方によって、P点が大きく変わってきます。

たとえば、業種別の完成工事高(X1)は、2年平均か3年平均かを選ぶことができます。また、自己資本額(X2)も、基準決算か2期平均かを選択することができます。その他にも、完成工事高の業種間の振り替えや、財務諸表の科目の組み替えなど、さまざまなテクニックを駆使することによって、P点を上げることが可能です。

このように、「経営事項審査を受けるだけ」であれば、手引きやマニュアルを参考にしながらできるかもしれません。しかし、よりよいP点を取得したい、より規模の大きい公共工事に参加したいという場合には、経験や知識が豊富な専門家に手続きをお願いしたほうが良いでしょう。

弊所に相談に見えるお客さまの中で、もっとも多いのが「5.X1(完工高)・X2(自己資本額)の算出方法の選択で点数が変わる」という点を理解されていない方です。

経営事項審査は、「誰が申請しても同じ結果になる」わけではありません。完成工事高の割り振りや適切な自己資本額の選択、業種間の振替や技術職員名簿の記載方法によって、点数が変わってきます。

特に自社で経審を申請している会社さんは、この点を理解せずに、大きな損をしていることが少なくありません。自社で申請手続きを行うことは悪いことではありませんが、経審後の入札にも大きく影響してきますので、くれぐれも「間違った申請」をしないように注意したいところです。

「うちの場合は、結局どうすればいいんだろう…」

ここまで読んで、「経審は思っていたより複雑だ」「自社の場合、何に気をつければいいか分からない」と感じた方も多いのではないでしょうか。それは決して珍しいことではなく、多くの建設会社さまが同じところでつまずいています。

私たち行政書士法人スマートサイドは、これまで建設機械の保有台数が10台を超える会社様や、技術職員が100名を超える会社様など、規模の大小を問わず数多くの経審申請を代行してまいりました。今回ご紹介したつまずきポイントも含め、御社の状況に合わせた具体的なアドバイスをいたします。

→ 経審のプロに相談してみる(初回相談はこちら)

(目次に戻る↑)

【6】「経営事項審査をもっと深く知りたい」という人へ

経営事項審査の「手続きの基本」について、記載してきましたが、よく理解できましたか?

■ 経審点数(P点)の見方・目安・平均点
■ 経審点数(P点)の算出方法(具体的事例付き)
■ 経審点数(P点)を上げて公共工事を受注したい

といったより実務的で踏み込んだ内容は、以下の解説ページで詳しく解説しています。

弊所のお客さまの中には、総合評定値P点が197点アップし、東京都の土木工事の等級格付をCからBにアップすることができた事業者さまもいらっしゃいます。また、初めての東京都の入札で2億円を超える空調設備工事の案件を落札したお客さまもいらっしゃいます。

より具体的な状況に応じたアドバイスをご希望の方は、事前予約制の有料相談(1時間11,000円)も承っております。

(事前予約制の有料相談をご希望の方へ)

このページでは、これから経営事項審査を受けたいと考えている初心者の方のために、わかりやすさを重視して記載しました。「わかりやすさ」「簡潔さ」を念頭に置いて記載しているため、細かい部分(たとえば、東京都の公共工事の格付基準や総合評定値P点を上げるために必要なテクニック)については、省略しています。

ですので、経営事項審査について、さらに深く学びたい、あるいは具体的な状況に応じたアドバイスを受けたいとお考えの方には、事前予約制の有料相談のお申込みをおすすめします。私たち行政書士法人スマートサイドは、経営事項審査や公共工事の入札資格手続きにおいて、多くの建設会社さまを支援してきた手続きの専門家です。

「建設機械の保有台数が10台を超えるような会社」や「技術職員が100名を超えるような会社」といった規模の大きい会社の申請実績があるので、個々の会社が置かれてる状況ごとに、経営事項審査を受けるにあたって、的確なアドバイスを行い、最短かつ最適な方法で手続きを進められるようサポートすることが可能です。

有料相談では以下のような具体的なサービスを提供しています。

  • 御社の状況に合った個別アドバイス
  • 他社に負けない総合評定値P点の対策
  • 東京都の公共工事の入札参加資格を取得するまでの手続きの流れ
  • インターネットの情報から、同業他社・競合相手のP点や等級を確認

専門家の視点から適切なサポートを行いますので、「こんなはずではなかった…」というような思わぬ失敗を防ぐことができます。有料相談(1時間11,000円)は「確かな結果」を手に入れるための価値ある投資です。ご希望の際は、下記問い合わせフォームからお申込みください。

(目次に戻る↑)

ご相談の予約・お問い合わせ
当法人への依頼を検討中のみなさまへ。私たちが提供するのは、「確かな専門知識」と「豊富な実績」に裏打ちされた、結果を出すためのサービスです。法人としての「組織力」と「責任感」を持って、複数名の専門スタッフが一丸となってお客さまをサポートし、「経営事項審査の申請」「入札参加資格の取得」をスムーズに進めることをお約束いたします。
お電話でのご相談の予約

「公共工事のホームページを見た」とお伝えください。

受付時間:平日7:00-15:00(土日祝休み)
メールでのご相談の予約・お問い合わせ


    このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシー利用規約が適用されます。

    ページトップへ戻る