経営事項審査はいつ受ける?決算月別早見表付き

相談者:建設会社社長

東京都の公共工事にチャレンジしたいのですが、入札の前に経営事項審査を受けなければならないと知りました。手続きは、すべてスマートサイドさんにお任せしたいのですが、経審・入札は、まったくの素人なので、いろいろとわからないことだらけです。具体的には、経営事項審査を受ける「時期」は、いつがよいのでしょうか?ちなみに私の会社の決算は、3月です。

回答者:行政書士

お手続きのご依頼ありがとうございます。経営事項審査を受ける時期についてのご相談ですね。経営事項審査には有効期限がありますので、「急いで準備したほうがよいケース」もあれば、「申請時期を遅らせた方がよいケース」もあります。東京都の入札参加資格の申請時期と合わせて、ご説明させて頂きます。御社にとって、最適なタイミングを探っていきましょう。

はじめて経審を受ける人にとって、「経営事項審査の申請は、いつがベストなのか?」不安に思う人も少なくありません。決算期は会社によってバラバラですし、財務状況も良い年もあれば悪い年もあります。できればベストのタイミングで経審を受けて、よい点数(P点)を取得したいですね。このページでは、「経営事項審査申請のタイミング」について解説していきたいと思います。

(よくある質問)

赤字決算でも経審を受けることができる?
はい。赤字決算か黒字決算かに関係なく経営事項審査を受けることはできます。赤字だから経審を受けることができないということはありません。
経審結果(P点)の有効期限は?
経営事項審査の結果である総合評定値P点の有効期限は、決算日から1年7か月です。審査対象日である「決算日」から起算することになります。
経審の申請期限はありますか?
東京都の場合、次年度の決算日を迎えると、経審を受けることができなくなります。3月末決算の場合、翌年の3月末を過ぎると、前年3月の決算で経審を受けることができなくなります。

経営事項審査を受けるまでの手続きの流れ

経営事項審査を受ける「ベストなタイミング」について、説明する前に、まずは、経営事項審査を受けるまでの手続きの流れを理解しておくことが重要です。なぜなら、経営事項審査は、「受けたいから今すぐ受ける」ということができないからです。まずは、以下の手続きの流れをご覧ください。

1:事業年度の終了および2か月以内の税務申告
毎年毎年、事業年度が終了するともに、2か月以内に税務署への申告を行っていると思います。3月末決算の会社の場合、5月末までに、税理士の先生に税務署への申告を行ってもらっているはずです。財務諸表が確定し、税金の支払いをして頂くことになります。

2:東京都庁への決算変更届の提出
建設業許可業者は、事業年度終了後4か月以内に、許可行政庁に決算報告(決算変更届の提出)を行わなければなりません。3月末決算の会社の場合、7月末までに、当該事業年度の財務諸表、工事の実績、納税証明書を添付して、東京都庁に提出していることが必要です。

3:経営状況分析の申請
経営事項審査を受けるには、経営状況分析の結果通知書が必須です。そのため、経審の前に、経営状況分析を申請し、結果通知書を受領しておかなければなりません。経営状況分析には、当該事業年度の財務諸表のほか、税務署に提出した申告書の別表16など、細かい資料の提出が必要になります。

4:経営事項審査の申請
経営事項審査を受けることのができるのは、「2:東京都庁への決算変更届の提出」および「3:経営状況分析の申請」の両方が終わってからです。経営事項審査の際には、「技術職員名簿」や「工事の実績の証明資料」など、さまざまな資料が必要になるため、早めに準備をしておくことが必要です。

5:総合評定値通知書の受領
経営事項審査が不備なく完了すると、経営事項審査の結果通知書(総合評定値通知書)を受領することができます。この結果通知書が届けば、東京都の入札参加資格を申請することができるようになります。逆に言うと、この結果通知書が届くまでは、入札参加資格を申請することができません。

手続きの流れについて、詳細に知りたい方は、「【WEB版】はじめての方のための経営事項審査❝入門書❞_第1章:手続編(手続きの流れの把握)」をご覧ください。

総合評定値P点の有効期間

上記のような手続きの流れに沿って取得した経審の結果通知書(総合評定値通知書)ですが、その結果通知書に記載されている総合評定値P点には、有効期間があります。ずばり、総合評定値P点の有効期間は、決算日から起算して1年7か月です。

  • 経営事項審査を受けた日から1年7か月
  • 結果通知書を受領した日から1年7か月

ではありません。あくまでも、

  • 決算日から1年7か月

になります。この決算日のことを、経営事項審査の審査の対象となる日にちという意味で、審査基準日ということもあります。

つまり、3月末決算の会社の場合、経営事項審査を7月に受けようが、翌年の1月になってから受けようが、P点の有効期限は、翌年10月ということになります。このように有効期限が決算から1年7か月と決まっているため、できるだけ、早い時期に経審を受けた方が良いことは言うまでもありません。ただし、仮に翌年の1月になって前年の3月末決算の数字を使って経審を受けるようなケースでは、経審の有効期間がすぐ到来してしまうため、次の決算を待ってから経審を受けた方がよい場合もあります。なお、東京都の場合、新たな決算を迎えた日以降は、前年の決算を使用して経審を受けることはできません。

※東京都公式:経営事項審査申請説明書(令和6年8月版)P4参照

経営事項審査を受けるベストなタイミング

以上のような理由から、経営事項審査を受ける最もベストなタイミングは、決算終了後4か月~6か月後ということができます。3月末決算の場合、その年の7月~9月頃に受けるのが良いでしょう。

決算期別・早見表
決算月 決算変更届・提出期限 経審受審・タイミング
1月末決算 5月末 5月~7月頃
2月末決算 6月末 6月~8月頃
3月末決算 7月末 7月~9月頃
4月末決算 8月末 8月~10月頃
5月末決算 9月末 9月~11月頃
6月末決算 10月末 10月~12月頃
7月末決算 11月末 11月~翌年1月頃
8月末決算 12月末 12月~翌年2月頃
9月末決算 翌年1月末 翌年1月~翌年3月頃
10月末決算 翌年2月末 翌年2月~翌年4月頃
11月末決算 翌年3月末 翌年3月~翌年5月頃
12月末決算 翌年4月末 翌年4月~翌6年月頃
事前予約制の有料相談のご案内
行政書士法人スマートサイドでは、経営事項審査を受ける適切なタイミングを知りたいという人のために、事前予約制の有料相談(1時間11,000円)を実施しています。「経審のタイミングを逃したくない」「ベストな時期に公共工事にチャレンジしたい」という人は、ぜひ、「こちらのページ」からお問い合わせください。

赤字決算の際の留意点

よくある質問の1つに、「決算が赤字なのですが、経営事項審査を受けることができますか?」という質問があります。赤字決算だからと言って、経営事項審査を受けることができないということはありません。しかし、経営事項審査は、「完成工事高」や「技術職員の人数」のみならず、「利益額」や「純資産の額」も考慮したうえで、総合評定値P点が算出されます。たとえば、

  • 純支払利息比率
  • 負債回転期間
  • 総資本売上総利益率
  • 売上高経常利益率
  • 自己資本比率
  • 自己資本対固定資産比率
  • 営業キャッシュフロー
  • 利益剰余金

といった、経営状況分析の項目(Y評点)に影響を及ぼす可能性があります。

さらに、

  • 自己資本額
  • 利益額(2年平均)

といったX2の項目(X2評点)に影響を及ぼす可能性があります。

そのため、「赤字決算だからといって経営事項審査を受けることができない」ということはないものの、総合評定値P点が低くなる可能性はあります。次期決算で財務状況を改善できる見込みがあるのであれば、次期決算まで経営事項審査の申請を見送るという選択肢もあります。

経審と入札参加資格申請のタイミング

経審を受ける会社は、経審を受けること自体が目的なのではなく、経審を受けて入札に参加することを目的にしているはずです。そのため、経営事項審査を受けた後は、自治体に対して入札参加資格を申請し、入札参加資格を取得するという手続きが必要になります。

入札参加資格は、入札に参加したい自治体ごとに申請をする必要があります。東京都の入札に参加したいのであれば、東京都への申請が必要です。神奈川県の入札に参加したいのであれば、神奈川県への申請が必要です。
入札参加資格は、経営事項審査を受けてからでないと、申請することができません。公共工事の入札参加資格を取得するには、まずは、経審を受けて、経審の結果通知書を受領する必要があるのです。

東京都の場合、おおむね20日までに申請をし承認を得ることによって、翌月の1日から入札に参加することができるようになります。東京都に入札参加資格の申請を行うには、事前に、「電子証明書」や「ICカードリーダ」を購入し、パソコンの環境設定を行っておくことが必要です。

パソコン設定サービスのご案内
弊所では、電子証明書の代行取得やパソコンの訪問設定サービスも行っております。自分でできそうにないという人は、ぜひ、こちらのページから手続きの流れや注意点をご確認ください。

はじめて経審を受ける会社のご担当者さまへ

行政書士

はじめて経営事項審査を受ける際には、「わからないことばかり」というのが正直なところだと思います。このページで説明した「経審を受けるタイミング」はもちろんのこと、必要書類の収集・申請書類の作成・公共工事入札の準備と、数え上げたらきりがありません。弊所では、そんな人のために、事前予約制の有料相談を実施しています。

経営事項審査は、誰でもできる簡単な手続きではありません。

✅ いつまでに申請すればよいのか?
✅ 有効期限は、いつまでなのか?
✅ なにから準備を始めればよいのか?
✅ 次回の決算まで、待った方がよいのか?

という不安や悩みを抱えている人も多いのが事実です。

行政書士法人スマートサイドでは、弊所に手続きをご依頼頂くか否かを問わず、経営事項審査や東京都の入札参加資格申請でお困りの人に、事前予約制の有料相談(1時間11,000円)を実施しています。経営事項審査に関するお困りごとや不安、東京都の入札に関してのご相談など、実績豊富な専門家が1時間に渡って、御社の疑問や不安にご回答させて頂きます。

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そんな人がいれば、ぜひ、事前予約制の有料相談をお申込みください。みなさまからのご連絡を心よりお待ちしております。

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