東京都の建築工事|入札資格の等級・格付・発注標準金額を専門家が解説

東京都は日本の首都だけあって、公共工事の件数も金額も他の県と比べて大きいと聞きます。建設会社の中には、他の県で公共工事を受注している実績を元に、東京都でも公共工事に参加したいと考えている会社も多いです。実際に弊所のお客さまでも、山梨県・大阪府・静岡県の会社が、東京都の公共工事の入札参加資格を持っています(いずれも大臣許可業者です)。

みなさんご存知のように、公共工事の入札参加資格については、自治体ごとにルールが大きく異なります。資格取得の手続きに関するルールは、もちろんのこと、等級の格付や発注標準金額についても、自治体ごとに異なるのです。そこで、このページでは、東京都の「07:建築工事」の入札資格に絞って、「等級」「格付」「発注標準金額」をわかりやすく解説していきたいと思います。(なお、「07」とは、東京都が定めている入札における「建築工事」の業種番号のことを指します)。

✅ 都立高校の改築工事の入札に参加したい

✅ 都営住宅の建築工事の案件を落札したい

✅ 警視庁や消防庁の公共工事に興味がある

✅ まずは小さい案件でよいので都の工事を受注したい

という人は、ぜひ、このページを参考にしてみてください。

東京都の「07:建築工事」の入札参加資格を取得する条件

等級・格付・発注標準金額を解説する前に、東京都の建築工事の入札参加資格を取得するには、いくつかの条件を満たしている必要があります。

まず、第1に、「建築一式工事」の建設業許可を持っていなければなりません。東京都は、内装工事に該当するような大規模修繕を「業種番号07:建築工事」として公共工事を発注します。たとえば「○○公園便所改築工事」や「都立○○学校改築工事」などです。この場合、「内装工事」の建設業許可を持っていても「建築一式工事」の建設業許可を持っていなければ、「業種番号07:建築工事」の入札参加資格を取得することはできません。

続いて、第2の条件として、「建築一式工事」で経営事項審査を受けていることが必要です。のちほど、記載するように、東京都の建築工事の入札の等級格付は、経営事項審査の総合評定値P点をもとに算出されます。そのため、「建築一式工事」の業種で経営事項審査を受けて、「建築一式工事」の業種でP点を取得しておく必要があります。

建築工事の入札に参加したいのに「建築一式工事の建設業許可を持っていない」とか「建築一式工事で経営事項審査を受けていない」という場合、まずは、建設業許可や経営事項審査から、「建築工事の入札参加資格」を取得するための準備をする必要があります。

また、最後の条件として、東京都の場合、入札参加資格を取得するには「入札用電子証明書」「ICカードリーダ」「パソコンの環境設定」が必要になります。この3点を整えてからでないと、入札参加資格を取得することができないため、建築工事の入札参加資格を取得したいという場合、避けて通ることができない条件ということができます。

東京都の「07:建築工事」の発注標準金額

東京都はもとより、どのような自治体でも、公共工事の入札参加資格を取得すると「等級(ランク)」が付与されます。中には、「等級(ランク)」が付与されず、「順位」のみが付与されるようなケースもありますが、少なくとも「東京都」の「建築工事」の入札参加資格においては、A~Eまでの等級が与えられます。それでは、その等級ごとの発注標準金額はどのようになっているのでしょうか?

等級 発注標準金額
4億4千万円以上
2億2千万円以上4億4千万円未満
6千万円以上2億2千万円未満
1千6百万円以上6千万円未満
1千6百万円未満

上記の表は、東京都が公表している「等級」と「発注標準金額」の関連性を表した表です。東京都の建築工事の入札参加資格を取得した結果、仮に御社の等級がE等級だった場合「1千6百万円未満」の公共工事の案件に参加することができるようになります。E等級であるにも関わらず、A等級相当の4億4千万円以上の工事の入札に参加するのは、難しいかもしれません。

東京都が実際に発注する公共工事の案件の希望申請要件を見てみると

業種「0700建築工事」の等級B、Cのいずれかに登録があり、かつ建設業法第3条に基づく特定建設業の許可を受けていること

という文言があったとします。この場合、等級が「A」「D」「E」の会社は、この入札案件に参加することができません。また、当然のことながら、特定建設業許可を持っていない会社も、この入札案件に参加することはできません。このように、上記の表を確認することによって、自社がどれくらいの金額の公共工事の入札に参加することができるかという、一応の目安を把握することができるのです。

東京都の「07:建築工事」の格付の方法

それでは、東京都は、どのような方法によって、格付を行っているのでしょうか?少しでも金額の大きい「建築工事」の入札に参加したければ等級は「E」よりも「D」、「D」よりも「C」、「C」よりも「B」がよいに決まっています。等級格付の方法を理解していれば、等級を上げるための対策も見えてきそうです。

客観点数 客観等級 主観点数 主観等級
900点以上 4.4億点以上
750点以上900点未満 2.2億点以上4.4億点未満
650点以上750点未満 6,000万点以上2.2億点未満
600点以上650点未満 1,600万点以上6,000万点未満
600点未満 1,600万点未満

まずは、上記の表をご覧ください。向かって左から「客観点数」「客観等級」「主観点数」「主観等級」となっていることがわかると思います。これは、「客観点数」から「客観等級」を導き出し、「主観点数」から「主観等級」を導き出すことを表しています。そして、最終的には、「客観等級」と「主観等級」を比較して、より低い方の等級が御社の最終等級になります。

客観点数・客観等級

まず、客観点数とは、経営事項審査における建築一式工事の総合評定値P点のことを言います。みなさんが経営事項審査を受けると「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が送られてくるかと思います。建築一式工事で経営事項審査を受けていれば、建築一式工事の箇所に「総合評定値(P)」が記載されているはずです。この総合評定値P点が、入札参加資格の等級格付の際に客観点数として用いられます。

御社が経営事項審査を受けた結果、「建築一式工事」の総合評定値P点が

  • 900点以上の場合、客観等級はA
  • 750点以上900点未満の場合、客観等級はB
  • 650点以上750点未満の場合、客観等級はC
  • 600点以上650点未満の場合、客観等級はD
  • 600点未満の場合、客観等級はE

ということになります。客観数値が経営事項審査の総合評定値P点であるということだけさえ理解すれば、あとは、表にあてはめていくだけで、客観等級を導きだすことができるので、わかりやすいと思います。

主観点数・主観等級

客観点数に比べて、主観点数は少し、わかりにくいかもしれません。主観点数は、「過去最高完成工事経歴の請負金額(税込み)」のことを言います。「過去最高完成工事経歴」の請負金額が税込み3,000万円の場合、主観点数は3,000万点ということになります。この「過去最高完成工事経歴」とは、入札参加資格を申請する際に東京都電子調達システムに入力する、業種ごとの、都発注・他官公庁発注・民間発注の工事うち、請負金額(税込み)が最大の経歴のことを言います。実際の入力画面は以下の通りです。

上から「都関係」「他官公庁」「民間」というように、「過去最高完成工事経歴」の情報(件名・施工場所・年月日・請負金額など)を入力するようになっています。ここで注意しなければならないのは、発注者が「都」や「他官公庁」の場合(=公共工事の場合)、過去最高完成工事経歴の請負金額(税込み)が、そのまま主観点数になりますが、発注者が「民間」の場合、格付審査の際の主観点数は、2分の1の額として計算されます。

また、過去最高完成工事経歴として入力できるのは

  • 申請業種の経歴であること
  • 指定地域(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県)で施工された工事であること
  • 過去6年間の間に完成した工事であること

の3つの条件を満たす必要があります。

たとえば、以下のような建築工事の実績があった場合、「過去最高完成工事経歴」に該当するでしょうか?もし「過去最高完成工事経歴」に該当するとした場合、主観点数はいくらになるでしょうか?

(ケース1)

発注者 神奈川県(公共工事)
施工場所 神奈川県横浜市
完成日 過去6年以内
請負金額 1億1千万円(税込み)

この建築工事は、

  • 申請業種である建築工事の実績に該当
  • 指定地域(神奈川県)内の工事に該当
  • 過去6年間の間に完成した工事に該当

という条件を満たすため、東京都に入札参加資格を申請する際に「過去最高完成工事経歴」として入力することができます。そして、この工事は、請負金額が1億1千万円(税込み)の公共工事であるため、主観点数は1億1千万点ということになり、主観等級は「C」になります。

(ケース2)

発注者 ○○建設株式会社(民間工事)
施工場所 東京都新宿区内
完成日 過去6年以内
請負金額 6千6百万円(税込み)

それでは、上記の工事は、「過去最高完成工事経歴」に該当するでしょうか?もし「過去最高完成工事経歴」に該当するとした場合、主観点数はいくらになるでしょうか?

この工事は、

  • 申請業種である建築工事の実績に該当
  • 指定地域(東京都)内の工事に該当
  • 過去6年間の間に完成した工事に該当

の3つの条件を満たしているので、「過去最高完成工事経歴」に該当します。但し、発注者が民間であるため、格付審査の際には、2分の1の額として主観点数が算出されます。そのため、この場合の主観点数は3,300万点ということになり、主観等級は「D」になります。

それでは、さらに、以下のような工事は、「過去最高完成工事経歴」に該当するでしょうか?

(ケース3)

発注者 ○○建設株式会社
施工場所 兵庫県神戸市
完成日 過去6年以内
請負金額 5億5千万円(税込み)

この場合、3億3千万円ものおおきな額の実績なので、「過去最高完成工事経歴」として使用することができれば、主観点数は2億7500万点(民間発注のため、主観点数を算出する場合には、請負金額に1/2を掛け算)となり、主観等級は「B」になります。しかし、施工場所を見ると「兵庫県神戸市」となっており「・指定地域で施工された工事であること」といった条件を満たしません。そのため、上記の工事は、「過去最高完成工事経歴」として入力することができません。

最終等級の算出方法

「客観点数によって算出された客観等級」と「主観点数によって算出された主観等級」が同じ場合、その等級が御社の最終等級になります。例えば、「客観点数725点=客観等級C」、「主観点数1億1千万点=主観等級C」の場合、最終等級はC等級になります。

仮に客観点数によって算出された客観等級と主観点数によって算出された主観等級が異なる場合、より低い等級が御社の最終等級になります。例えば、「客観点数620点=客観等級D」、「主観点数3億点=主観等級B」の場合、御社の最終等級は「B」ではなく、「D」となります。

東京都の公共工事の入札資格でお困りの人へ

さて、東京都の建築工事の「等級」「格付」「発注標準金額」について、解説してきましたが、なんとなくイメージがつかめてきましたか?みなさんは、東京都の公共工事の落札を目指しているのですから、「格付の方法」や「発注金額」を理解することは、とても大事です。しかし、それ以上に大事なのは、どうやったら格付がよくなるのか?という点に尽きるのではないでしょうか?

たとえば、御社の等級がDランクだった場合。入札に参加することができる工事の発注標準金額は、1千6百万円~6千万円になってしまいます。もちろん、それ以上の額の入札に絶対に参加できないか?というとそういうわけではありません。入札案件によっては、希望申請要件に「業種0700建築工事の等級B、CまたはDのいずれかに登録があり…」というように、ある程度の幅をもって案件が公表されることがあるからです。

しかし、より規模の大きい公共工事を狙うにはDよりもC、CよりもBのランクを獲得できた方がよいに決まっています。それでは、より上位のランクを狙っていくにはどうすればよいか?東京都の場合は、客観点数と主観点数の両方の対策が必要です。なぜなら、客観点数から導き出される客観等級と、主観点数から導き出される主観等級の、どちらか低い方が最終等級になるからです。客観点数が良いだけではだめですし、主観点数がよいだけでもだめなのです。

とくに客観点数は、経営事項審査の結果である総合評定値P点を元に算出されます。ということは、P点の点数を上げることが最重要課題になってくると言えます。建設会社の中には、総合評定値P点の計算の仕組みをよく理解しないまま、漠然と経営事項審査を受けている会社が非常に多いイメージです。経営事項審査は、なんとなくの知識で漫然と受けていても、絶対に、点数はよくなりません。

また、入札のためのパソコンの設定や、電子証明書の購入など、素人の人がやろうとすると、とても時間がかかります。このような作業は、私たちのような手続きの専門家に外注し、みなさんはみなさんにしかできないこと、例えば

✅ 東京都の建築工事の案件を検索する

✅ 実際に公共工事を落札した際のシミュレーションをしてみる

✅ どの会社がどのくらいの規模の工事を落札しているか調査してみる

ということに専念してみてはいかがでしょうか?みなさん自身が、手続きを行うより、よほど、公共工事の落札に近づくと思うのですが、どうでしょう?行政書士法人スマートサイドでは、東京都の公共工事を本気で落札したいとお考えの人のために1時間11,000円の事前予約制の有料相談を実施しています。

■ 入札参加資格を取得するまでの手続きの流れ

■ 東京都電子調達システムの操作の方法

■ 同業他社の経審の結果通知書の検索の仕方

■ 経営事項審査で落としてはならないポイント

など、御社の状況に合わせてご案内をさせて頂くことが可能です。東京都の公共工事でお困りの際は、ぜひ、下記、問い合わせフォームから、事前予約制の有料相談をお申込みください。みなさまからのお申込みを心よりお待ちしております。

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