経営事項審査の総合評定値P点の「計算式」を教えてください。

相談者:建設会社社長

横内先生の書いた書籍を読んで、経営事項審査について、勉強しています。総合評定値P点が重要なのは、わかるのですが、どうやって「P点」を算出しているのか?その、計算方法がわかりません。いま、付き合いのある行政書士の先生は、経審があまり得意ではないようなので、横内先生に詳しくお話しをお聞きしたいです。

回答者:行政書士横内

経営事項審査の総合評定値P点の算出方法についてですね。かしこまりました。書籍にも詳しく書いてあるところですが、もう一度、このページで解説させて頂きますね。行政書士の先生にも得意・不得意がありますので、ぜひ、弊所への手続きのご依頼も検討して頂けると幸いです。

経営事項審査の結果(総合評定値P点)の算出方法

そもそも経営事項審査とは

まず、そもそも、なぜ、経営事項審査を受けなければならないか?という点について、説明させて頂きます。経営事項審査は、「公共工事を発注者から直接、請け負おうとする建設業者が、必ず受けなければならない審査(根拠条文=建設業法第27条の23)」です。

経営事項審査を受けると、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」といった結果通知書を受領することができます。その結果通知書に記載されているのが、総合評定値P点です。いわば、御社の「成績表」と言い換えることができます。

総合評定値P点が高い会社は、より大きな規模の公共工事にチャレンジすることができます。一方で、総合評定値P点が低い会社は、小規模な公共工事にチャレンジすることしかできません。成績が良ければ良いほど(=P点が高ければ高いほど)、金額の大きい公共工事を受注できるチャンスが広がるという関係性にあります。

経営事項審査で審査の対象となる5つの項目

それでは、経営事項審査で審査の対象となるのは、どんな項目なのでしょうか?経営事項審査で審査の対象となるのは、以下の5つの項目です。

記号 審査項目
X1
  • 完成工事高(業種別)
X2
  • 自己資本額
  • 利払前税引前償却前利益の額
Z
  • 技術職員数(業種別)
  • 元請完成工事高(業種別
W
  • 建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組状況
  • 建設業の営業継続の状況
  • 防災活動への貢献の状況
  • 法令遵守の状況
  • 建設業の経理の状況
  • 研究開発の状況
  • 建設機械の保有状況
  • 国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況
Y
  • 負債抵抗力
  • 収益性、効率性
  • 財務健全性
  • 絶対的力量

XやZというアルファベットが、わかりづらくさせてしまっているかもしれませんが、X1・X2・Y・Z・Wというアルファベットは、単なる記号であるというように理解してください。また

  • X1とX2=経営規模
  • Z=技術力
  • W=社会性(その他の審査項目)
  • Y=経営状況

と4つに区分されることもあります。このページでは、あくまでもP点の算出方法を解説するためのページですので、経営事項審査で審査の対象となるのは「X1」「X2」「Z」「W」「Y」の5つの項目であると理解しておいてください。

総合評定値P点を算出するための計算方法

それでは、上記の審査項目を審査した結果、総合評定値P点は、いかにして算出するのでしょうか?総合評定値P点を算出するための計算式は、以下の通りです。

計算式

  • 0.25(X1)+0.15(X2)+0.20(Y)+0.25(Z)+0.15(W)

つまり、「X1(=業種ごとの完成工事高の評点)」に0.25を掛けた数値、「X2(=自己資本および利益額の評点)」に0.15を掛けた数値、「Y(=経営状況の評点)」に0.20を掛けた数値、「Z(技術力の評点)」に0.25を掛けた数値、「W(社会性の評点)」に0.15を掛けた数値を合算した点数が、総合評定値P点になるのです。

具体例

以下、簡単に具体例を挙げていきましょう。

  • X1=790点
  • X2=568点
  • Z=716点
  • W=636点
  • Y=959点

の会社があったとします。この評点を上記計算式にあてはめると

  • 0.25(790点)+0.15(568点)+0.20(959点)+0.25(716点)+0.15(636点)=749点(四捨五入)

となり、この会社の総合評定値P点は749点になります。

総合評定値P点=客観点数

この総合評定値P点は、東京都の公共工事の入札参加資格の等級の格付けに使用されます。東京都の場合、「客観点数から客観等級」を「主観点数から主観等級」を算出し、より低い方の等級を、最終的な等級に格付けします。

この「客観点数」が経審の結果である総合評定値P点になります。

「主観点数」は、過去6年以内に指定地域内で完成した工事のうち、請負金額が一番大きい工事(過去最高完成工事経歴)の「請負金額(税込み)」が「主観点数」になります。

客観等級 経営事項審査の結果である総合評定値P点を客観数値として算出します。
主観等級 過去最高完成工事歴の請負金額(税込み)を主観数値として算出します。
最終等級 客観等級と主観等級が一致している場合には、その等級が。客観等級と主観等級に相違がある場合には、より低い等級が最終等級になります。

「総合評定値P点」をアップしたいとお考えの人へ

行政書士横内

経営事項審査の結果である総合評定値P点の算出の仕方が分かると、「どこをどう対策すればP点がアップするか?」が分かるようになります。P点をアップすることによって、等級が上がりますので、公共工事対策になります。

「P点アップの対策を知りたい」「等級を上げてより規模の大きい公共工事にチャレンジしたい」という人は、ぜひ、有料相談をお申込みください。経営事項審査の手続きについては、もちろんのこと、点数アップの秘訣についても、ご案内させて頂きます。

経営事項審査の総合評定値P点の算出の仕方は、わかりましたか?

X1やX2という5つの審査項目がありましたが、その5つの審査項目は、すべて平等に点数化されるわけではなく、X1は0.25、X2は0.15といったように総合評定値P点に対する寄与度の割合が異なることに着目すべきです。

すべての項目が平等に評価の対象になるわけでないとすると、どこを優先的に対策していけばよいのか?自社のどこが足りていないのか?といった「あたり」をつけることができます。

その結果、次回の経審までには、「どこをどう改善していこう」という対策が見えてくるわけです。

行政書士法人スマートサイドでは、単に経営事項審査の手続きを代行するだけでなく、上記のような審査項目や計算式を熟知したうえで、どこが足りないのか?どこを伸ばした方が良いのか?といった点も踏まえて、御社をサポートさせて頂くことが可能です。

経営事項審査の「総合評定値P点」をアップしたいとお考えの人は、ぜひ、下記問い合わせフォームからご連絡ください。

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