東京都の公共工事は、なぜ、経営事項審査を受けなければならないのですか?

相談者:建設会社(田中社長)

今期で、15期目が終わりました。役員会議の結果、来期から、東京都の公共工事の落札を目指して、手続きの一切をスマートサイドさんに依頼させて頂きます。ところで、東京都の公共工事の入札参加資格を取得するには、どうして経営事項審査を受けなければならないのでしょうか?事前に経審を受けないと、入札に参加できないのは、なぜでしょう?

回答者:行政書士

来期から東京都の公共工事の入札に参加するのですね。弊所は、経審や入札の手続きを専門としている事務所ですので、ぜひ、弊所にて、手続きのすべてをサポートさせて頂きます。「公共工事の入札には、なぜ経審が必要か?」という、素朴な疑問をお持ちのようですね。申請手続きに入る前に、田中社長の疑問にお答えさせて頂きますね。

東京都の公共工事の入札資格を取得するために、経審を受けなければならない理由

多くの建設会社の社長は、「1度は公共工事を落札してみたい」とか「大型の公共案件にチャレンジしてみたい」と思っているのではないでしょうか?もしくは、「民間の仕事だけでなく、公共の仕事も売上の柱にしたい」「公共工事の受注で売上アップを目指したい」と思っている人も多いのではないでしょうか?

東京都の公共工事は、もちろんのこと、他県の公共工事も省庁の公共工事も、公共工事の入札に参加するには、経営事項審査を受けなければなりません。冒頭の田中社長のように、これから公共工事の入札にチャレンジして行こうと思っている人にとっては、なぜ「経営事項審査を受けなければならないのか?」理解が難しい人もいるかもしれません。

そこで、このページでは、「経営事項審査」「東京都の公共工事の入札参加資格」の専門家である行政書士法人スマートサイドが、なぜ、公共工事の入札参加資格を取得するには経営事項審査を受けなければならないのか?という疑問に対して、

  1. 法律上の理由
  2. 手続き上の理由
  3. 実体的な理由

の3つの理由を説明させて頂きます。これから、東京都の公共工事の入札に参加したいとお考えの人は、ぜひ、参考にしてみてください。

1.法律上の理由

公共工事の入札参加資格を取得する前に、経営事項審査を受けなければならない「法律上の理由」は、ずばり、建設業法第27条の23にあります。建設業法第27条の23第1項2項には、以下のような規定があります。

(経営事項審査)

第二十七条の二十三 公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。

2前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。
一経営状況
二経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項

このように「公共性のある施設などの工事を、発注者である国や地方自治体から直接請負おうとする建設会社は、経営事項審査を受けていなければなりません」と、建設業法上に規定があるわけです。

建設業法は、あまり目にしたことのない法律かもしれませんが、「建設業を営む者の資質の向上、建設工事の請負契約の適正化等を図ることによつて、建設工事の適正な施工を確保し、発注者を保護するとともに、建設業の健全な発達を促進し、もつて公共の福祉の増進に寄与することを目的」として制定されている法律です(第1条参照)。

東京都の経営事項審査の手引きにも、「経営事項審査とは、公共工事(国又は地方公共団体等が発注する建設工事)を発注者から直接請け負おうとする建設業者が、必ず受けなければならない審査です」と記載されています。

2.手続き上の理由

公共工事の入札参加資格を取得する前に、経営事項審査を受けなければならない理由が「法律上そのように定められているから…」では、あまり「よい答え」になっていませんね。そこで、続いては、手続きの専門家らしく「手続き上の理由」について、触れていきたいと思います。

(1)東京都の場合

東京都の場合。東京都の入札参加資格を取得するには、東京都電子調達システムを利用して電子申請を行うことになります。郵送での申請や対面での申請は受け付けていないので、インターネット上の電子申請が必須となります。この電子申請を行うには、経営事項審査の結果が「東京都電子調達システム」に紐づいていなければなりません。

つまりシステム上、経営事項審査の結果が、反映されていないと、入札参加資格申請をすることができない仕組みになっています。

例えば、「自己資本額」「利益額」「営業年数」などの項目は、経営事項審査の結果が、自動的に東京都電子調達システムに反映されるます(なお、経審結果の通知日から、東京都電子調達システムに経審データが更新されるまで、1~2週間程度かかるとされています)。

このため、先に経営事項審査を受けて、経審の結果通知書(「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」)が届いて、かつ、経審結果が東京都電子調達システムに反映されてからでないと、東京都の入札参加資格を申請できないのです。

(2)東京都以外の場合

東京都以外の場合。入札参加資格の申請手続きが、電子申請のみで完結するのか?それとも書類の郵送や提出が必要になるのかについては、各県や各省庁によって、さまざまです。但し、経営事項審査を受けてからでないと、入札参加資格を取得できないようになっているのは、一緒です。

たとえば、神奈川県や埼玉県の場合、入札参加資格を取得するには、経審の結果通知書である「総合評定値通知書(写し)」が必要書類となっています。

このように、手続き上、「経営事項審査を受けていなければ、公共工事の入札参加資格取得のための手続きを行うことができないようになっている」ことがお分かりいただけると思います。

3.実体的な理由

法律上の理由、手続き上の理由は、ご理解いただけましたでしょうか?

東京都の公共工事の入札参加資格を取得するには、経営事項審査を受けていなければならない「法律上の理由」「手続き上の理由」がわかったとしても、「なぜ、法律上、そのような規定がされているのか?」「なぜ、手続きの仕組みがそうなっているのか?」について、より、深掘りして理解したいところですね。

そこで、「なぜ、法律や手続きがそうなっているのか?」について説明させて頂きます。

そもそも、経営事項審査は、建設会社の「経営規模」「技術力」「社会性」「経営状況」などを審査し、総合評定値P点という点数を算出するために行われます。会社の「技術力」が高かったり、「経営状況」が良かったりすると、総合評定値P点は高くなります。「技術力」が弱かったり「経営状況」が悪かったりすると、総合評定値P点は低くなります。

一方で、公共工事を発注する側の公共機関は、「○○円規模の公共工事であれば、どれくらいの点数の建設会社に入札に参加してもらいたい」という一定の基準を持っています。たとえば、2億円規模の公共工事を、年間売上2000万円程度の建設会社に受注させるわけにはいかないですよね。

このように、発注者である公共機関は、公共工事の金額、規模、複雑さを総合的に考慮して、経営事項審査の点数ごとに各会社をグループ分けしています。このグループわけのことを等級格付けと言ったりもします。経営事項審査の結果である総合評定値P点が高い会社は、「Aランク」、低い会社は「Dランク」というように、点数ごとに格付けを行っているのです。

そして、その格付けごとに、公共工事のおおよその発注標準金額が決まってきます。たとえば、Aランクの会社は「1億円以上の公共工事の入札に参加できます」とかDランクの会社は「300万円以下の公共工事の入札にしか参加できません」といったように。

入札に参加したい建設会社には、先に経営事項審査を受けてもらい、経営事項審査の結果であるP点を取得しておいてもらわないと、グループわけ(等級格付け)ができません。

グループわけ(等級格付け)は、入札参加資格の申請時に審査されますので、先にグループわけ(等級格付け)の判断のもとになる点数が必要なわけです。

そのため、『公共工事の入札参加資格を取得するには、まず、先に経営事項審査を受けてもらい、総合評定値P点を取得しておいてくださいね。そして、入札参加資格申請の審査の場で、その総合評定値P点を基準に御社の等級(A,B,C,D)を格付けさせてもらいますよ』というような実務上の運用がなされているわけです。

どうでしょう。経審や入札の中身に踏み込んで、説明しましたが、「東京都の公共工事の入札参加資格を取得するには、先に経営事項審査を受けていなければならない理由」がお分かりいただけましたでしょうか?

東京都の「経審」や「入札」手続きの専門家をお探しの人へ

行政書士

東京都の公共工事の入札参加資格を取得するには、先に、経営事項審査を受けていなければならない理由は、お分かりいただけましたか?弊所に手続きをご依頼頂いた際には、経営事項審査はもちろんのこと、入札参加資格の申請手続きについても、一貫してサポートさせて頂くことが可能です。弊所は、「経審」と「入札」の手続きの両方を専門分野としている行政所書士法人です。東京都の「経審」「入札」手続きの専門家をお探しの人は、ぜひ、弊所にご連絡下さい。

「経営事項審査の手続き」と「入札参加資格申請の手続き」は、密接に関連しています。一見すると「経審」と「入札」は、ばらばらの手続きのように見えますが、経審の結果を考慮して、入札参加資格申請の審査が行われています。さらに、東京都の場合は、経審の結果が自動的に「東京都電子調達システム」に反映されます。かつ、反映されてからでないと、入札参加資格申請ができない仕組みになっています。

このように、経審や入札の手続きは、とても複雑で、自治体によってルールが異なったり、やり方が違ったりして、素人の人が勉強してできるようになるものではありません。

行政書士法人スマートサイドは、東京都の公共工事の入札参加資格の申請を大変得意としています。また、どうやったら総合評定値P点を上げることができるのか?東京都の公共工事を落札するには、どういった対策が必要か?などのアドバイスもおこなうことができます。さらに、希望者の方に対しては、初回のみ1時間11,000円の有料相談も実施しています。

もし、みなさんが、東京都の経営事項審査や入札参加資格の取得手続きでお困りの際は、ぜひ、下記問い合わせフォームから、有料相談をお申込みください。

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