取引先や発注元から『「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を出してください』と言われたり、『「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」はありますか?』と聞かれたりして、お困りの方はいらっしゃいませんでしょうか?
もしくは経営事項審査を受けて、毎年「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が送られてきているけど、「何が書いてあるのかわからない、どうやって見たらよいのかわからない」という人も多いのではないでしょうか?
このページは、そんな人のために「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」の取り方と見方の2つについて、初心者の人でもわかりやすく解説したページです。すでに、経審を受けているという人は、結果通知書をお手元にご用意のうえ、読み進めていってください。まだ、経審を受けたことがない、結果通知書が手元にないという人は、ぜひ、このページに記載されている記事を参考に、経営事項審査の受審を検討してみてください。
【1】「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」の取り方
1.「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」とは?
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」とは、「経営事項審査の結果通知書」のことを言います。この経営事項審査の結果通知書には、「会社の経営規模等の結果」および「総合評定値(P点)」が記載されているため、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」という難しい呼び方になってしまっています。
ただし、呼び方については、あまりこだわる必要はありません。もし、仮に御社が、取引先から「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を出してくださいと言われたら、「あ~、経営事項審査の結果通知書のことね」と思いだせるようにしておいて頂ければ大丈夫です。
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」=「経営事項審査の結果通知書」なわけですから、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を取得するには、経営事項審査を受けて頂かなければなりません。
2.経営事項審査は何のために必要か?
それでは、「経営事項審査」は何のためにあるのでしょうか?少し難しく感じるかもしれませんが、法律上の根拠にさかのぼって解説させて頂きます。建設業法には、以下の条文があります。
(経営事項審査)第27条の23
第1項:公共性のある施設又は工作物に関する建設工事で政令で定めるものを発注者から直接請け負おうとする建設業者は、国土交通省令で定めるところにより、その経営に関する客観的事項について審査を受けなければならない。
第2項:前項の審査(以下「経営事項審査」という。)は、次に掲げる事項について、数値による評価をすることにより行うものとする。
1 経営状況
2 経営規模、技術的能力その他の前号に掲げる事項以外の客観的事項
この建設業法の第27条の23には、「公共工事(国又は地方公共団体等が発注する建設工事)を発注者から直接請負おうとする建設業者は、必ず経営事項審査を受けなければならない」旨が記載されています。ですので、みなさんの会社が、公共工事の入札に参加しようと思ったら、必ず、経営事項審査を受けて、経審の結果通知書(経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書)を受領していなければなりません。
それでは、なぜ、公共工事の入札に参加する会社は、経営事項審査を受けなければならないのでしょうか?この点については、拙著「建設会社の社長が読む手続きの本」(パレードブックス)にて、詳しく記載しておりますので、以下、引用いたします。
公立小学校を解体したり、市役所の外壁を塗装したり、公道下の水道管を取り替えたりといった公共工事は、民間工事と異なり、税金を使って行われます。税金を使って行われる以上、無駄なく・無理なく・確実に行わなければなりません。そのためには、公共工事を請負う建設会社の「技術者数」「過去の経験」「財務状況」が非常に大事になってきます。
公共工事を請負ったものの「工期が大幅に遅れたり」「途中で倒産したり」「工事が完成してみたら欠陥だらけだった」のでは、みんなが困ってしまいます。また、例えば、10億円規模の公共工事を、年間工事実績1000万円程度の会社に施工させるわけにもいきません。
そういった事態を事前に防止するため、①公共工事の入札に参加する会社には経審を受けてもらい、②経審の結果である総合評定値P点で、会社ごとの等級や順位の格付けを行い、③公共工事の発注額に応じて、入札に参加できる会社をグループ分けしているのです。
どうでしょう?公共工事の入札に参加する会社が、経営事項審査を受けていなければならない理由は、わかりましたか?経営事項審査は、入札に参加する前の事前準備として、建設会社に点数(総合評定値P点)をつけて、「どの点数だとどのくらいの規模の公共工事の入札に参加することができるか?」を明確にするために、行われているのです。
3.経営事項審査を受けるには?
それでは、経営事項審査を受けるには、どうすればよいのでしょうか?
建設業許可の取得
まず、前提として経営事項審査は、建設業許可を持っている会社しか受けることができません。御社がどんなに公共工事の入札に参加するために、経審を受審したいといったとしても、建設業許可を持っていなければ、経審を受けることができません。
決算報告(決算変更届)の提出
続いて、経営事項審査を受けるには「事業年度ごとの決算報告(決算変更届)」の提出が必須になります。この「決算報告(決算変更届)」とは、建設業許可業者が事業年度終了後4か月以内に、許可行政庁に提出する決算の届出のことを言います。この「決算報告(決算変更届)」には「財務諸表」「直前3年の工事実績」「事業年度の工事経歴書」「納税証明書」など、さまざまな書類の添付が必要になります。経営事項審査は、「決算報告(決算変更届)」で提出された「財務諸表」や「工事経歴」をもとに審査が行われますので、経営事項審査を受けるには毎年度の「決算報告(決算変更届)」の提出が必須になります。
経営状況分析(Y点の取得)
さらに、経営事項審査を受けるには、経営状況分析という手続きを経ていなければなりません。この経営状況分析は、民間の分析機関に書類を申請し、Y点(経営状況分析の評点)を算出してもらう手続きです。経営状況分析を申請すると、Y点の記載された経営状況分析結果通知書が送られてきます。経営状況分析の結果通知書は、経営事項審査の際の必要書類として提出を求められている書類です。そのため、経営事項審査を受けるには、先に経営状況分析を受けていなければならないのです。
経営事項審査
建設業許可を持っていることを前提に、決算変更届を提出し、経営状況分析を受けて経営状況分析の結果通知書を受領すれば、経営事項審査を受けることができます。経営事項審査には、さまざまな書類が必要になりますが、必要書類については、また、別のページで説明をさせて頂きます。東京都の場合、標準処理期間は22日(閉庁日を含まない)となっていますので、経審を受けた後に、何も不備がなければ、おおむね22日後に、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を受領することができます。
【2】「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」の見方
1.「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、何が書いてあるのか?
上記の「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、さまざまな数字や記号が記載されているため、パッと見ただけでは、何が記載されているのか?がわかりません。とくに初心者のひとには、理解しづらいと思います。そこで、以下では、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書に何が記載されているのか?について、わかりやすく、説明して行きたいと思います。
総合評定値(P)
「総合評定値=P点」は、経審を受けた業種ごとに算出される最終結果の点数です。経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書には、さまざまな記号・点数が記載されていますが、まずは、総合評定値P点を分かるようにしておいてください。公共工事の入札の際には、この総合評定値P点が客観点数として、等級(A,B,C,D,E)の格付に用いられます。
そのため、総合評定値(P)が、高ければ高いほど、より規模の大きい公共工事の入札に参加できるという関係性にあります。
完成工事高(X1)
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、「2年平均もしくは3年平均の完成工事高」と「その完成工事高を点数化した評点(X1)」が記載されています。経営事項審査の申請書を作成する際には、完成工事高を2年平均もしくは3年平均のどちらかを自社で選ぶことができます。2年平均の方が完成工事高が高ければ2年平均を、3年平均の方が完成工事高が高ければ3年平均を選択することになるかと思います。経審の申請書に記載した「完成工事高」およびその完成工事高を点数化した「評点X1」が、記載されます。
元請完成工事高及び技術職員数(Z)
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、完成工事高(X1)のみならず、元請完成工事高も記載されます。元請完成工事高も経審の申請書を作成した際に選択した2年平均か3年平均かが、記載されています。
また、技術職員数についても同様に、記載されています。技術職員数については「1級(講習受講なし)」「1級(講習受講あり)」「監理補佐」「基幹」「二級」「その他」の区分があり、その区分ごとに人数が記載されています。技術職員数については、経営事項審査の際に提出した技術職員名簿をもとに、人数が記載されています。
自己資本額及び利益額(X2)
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、自己資本額と利益額も記載されています。この自己資本額と利益額も「完成工事高」や「元請完成工事高及び技術職員数」と同様に、経営事項審査の際に提出した申請書類をもとに、数字が、記載されます。
自己資本額については、「経営規模等評価申請書」の項番「17」に入力した数字です。自己資本額とは、自社の財務諸表の貸借対照表の純資産合計のことを言います。この自己資本額については、「基準決算」か「2期平均」かを選択して入力することができるため、審査対象事業年度の純資産1期分のほうがよいのか?前審査対象事業年度の純資産との2期分を平均したほうがよいのか?を比較して、申請することになります。
利益額について、「経営規模等評価申請書」の項番「18」に入力した数字です。利益額については、「審査対象事業年度の営業利益+減価償却実施額」と「前審査対象事業年度の営業利益+減価償却実施額」を2で割った数字(2期平均)を入力します。
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、「自己資本額及び利益額」から算出したX2評点についても、記載されています。
その他の審査項目(社会性など)(W)
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、「その他の審査項目(社会性など)」の評点としてW点も記載されています。「その他の審査項目(社会性など)」では、以下のようにたくさんの項目が評価の対象になっています。
建設工事の担い手の育成及び確保に関する取組の状況
- 雇用保険加入の有無
- 健康保険加入の有無
- 厚生年金保険加入の有無
- 建設業退職金共済制度加入の有無
- 退職一時金制度若しくは企業年金制度導入の有無
- 法定外労働災害補償制度加入の有無
- 若年技術職員の育成及び確保の状況
- 知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況
- ワークライフバランスに関する取組の状況
- 建設工事に従事する者の就業を蓄積するために必要な措置の実施状況
建設業の営業継続の状況
- 営業年数
- 民事再生法又は会社更生法の適用の有無
防災活動への貢献の状況
- 防災協定の締結の有無
法令遵守の状況
- 営業停止処分の有無
- 指示処分の有無
建設業の経理の状況
- 監査の受審状況
- 公認会計士等の数
- 二級登録経理試験合格者の数
研究開発の状況
- 研究開発費
建設機械の保有状況
- 建設機械の所有及びリース台数
国又は国際標準化機構が定めた規格による認証又は登録の状況
- エコアクション21の認証の有無
- ISO9001の登録の有無
- ISO14001の登録の有無
経営状況分析(Y)
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、「経営状況分析の詳細」および「Y評点」が記載されています。通知書に記載されている項目は以下の通りになります。経営状況分析においては、以下の8つの指標が審査の対象になっています。
「純支払利息比率」「負債回転期間」を負債抵抗力、「総資本売上総利益率」「売上高経常利益率」を収益性・効率性、「自己資本対固定資産比率」「自己資本比率」を財務健全性、「営業キャッシュフロー」と「利益剰余金」を絶対的力量というように区別することもあります。
項目 |
計算式 |
---|---|
純支払利息比率 | (支払利息-受取利息配当金)/売上高×100 |
負債回転期間 | (流動負債+固定負債)/(売上高÷12) |
総資本売上総利益率 | 売上総利益/※総資本(2期平均)×100 |
売上高経常利益率 | 経常利益/売上高×100 |
自己資本対固定資産比率 | 自己資本/固定資産×100 |
自己資本比率 | 自己資本/総資本×100 |
営業キャッシュ・フロー | 営業キャッシュ・フロー/1億※(2年平均) |
利益剰余金 | 利益剰余金/1億 |
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値」には、何が書いてあるのか?ご理解いただけましたでしょうか?細部を見ていくときりがないので、まずは、以下の点を理解するようにしてみてください。
- 経営規模等評価結果通知書には、「総合評定値P点」「完成工事高(X1)」「自己資本額・利益額(X2)」「経営状況分析(Y)」「元請完成工事高・技術職員数(Z)」「その他の審査項目(社会性等)(W)」が、記載されている。
- 「完成工事高(X1)」「自己資本額・利益額(X2)」「経営状況分析(Y)」「元請完成工事高・技術職員数(Z)」「その他の審査項目(社会性等)(W)」は、すべて、経営事項審査の申請の際に提出した書類を根拠に算出されている。
- 「総合評定値P点」が一番重要で、入札の際の等級(A,B,C,D,E)の格付けの根拠として使われる。
この3点を理解したうえで、総合評定値P点の算出の方法がわかれば、経審対策を行うことができるようになります。
2.総合評定値P点の算出の仕方
ここまでの説明で「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、
- 総合評定値P点
- 完成工事高(X1評点)
- 自己資本額及び利益額(X2評点)
- 経営状況分析(Y評点)
- 元請完成工事高・技術職員数(Z評点)
- その他の審査項目(社会性など)(W評点)
が、記載されていることをご理解いただけたと思います。そして、この中で一番、重要なのは、公共工事の入札の際に等級格付けに用いられる総合評定値P点であることも、説明しました。それでは、総合評定値P点は、どのように算出されるのでしょうか?実は、総合評定値P点は以下の計算式を用いて、算出されています。
X1評点×0.25+X2評点×0.15+Y評点×0.20+Z評点×0.25+W評点×0.15
慣れないと難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえば簡単です。総合評定値P点は、それぞれ(X1×0.25)と(X2×0.15)と(Y×0.20)と(Z×0.25)と(W×0.15)を足して算出します(小数点以下、四捨五入)。こればっかりは、文字で説明するよりも、実際に計算して理解したほうが早そうですね。
下記の「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」は、日本でもトップクラスにあるゼネコン(総合建設会社)のものです。(※「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」は、インターネット上に公表されているため、だれでも自由に確認することができます)。
(サンプル)
この「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を参考に「建築一式」の総合評定値P点を実際に算出してみましょう。
審査項目 | 評点 | 計算式 | 計算結果 |
---|---|---|---|
完成工事高(X1)評点 | 2309点 | ×0.25 | 577.25点 |
自己資本額及び利益額(X2)評点 | 2101点 | ×0.15 | 315.15点 |
経営状況分析(Y)評点 | 1125点 | ×0.20 | 225点 |
元請完成工事高及び技術職員数(Z)評点 | 2441点 | ×0.25 | 610.25点 |
その他の審査項目(社会性等)(W)評点 | 1828点 | ×0.15 | 274.2点 |
合計(総合評定値P点)※少数点以下、四捨五入 |
2002点 |
この会社の建築一式の総合評定値P点は赤枠で囲ってある通り、2002点です。X1評点、X2評点、Y評点、Z評点、W評点を上記計算式にあてはめて、結果を算出すると、2002となります。このように、総合評定値P点は、経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書に記載されているX1~Wの各評点をもとに算出することができるのです。
3.見方が分かると、公共工事受注の対策の仕方が分かる
「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」の見方はお分かりいただけましたでしょうか?P点算出のための計算式を覚える必要はありませんが、自社のP点がどのように計算されているのかを確認できるようにしておくとよいでしょう。
総合評定値P点のだいたいの平均は700点前後と言われてます。先ほど、掲載したサンプルは、日本でトップクラスのゼネコンの結果通知書であったため総合評定値P点が2000点を上回っていましたが、通常は、500点台から900点台の間というように考えてよいでしょう。
総合評定値P点の点数 | おおよそのイメージ |
---|---|
900点台以上 | 優秀 |
800点台 | 良好 |
700点台 | 普通 |
600点台 | あまり良くない |
500点台 | よくない |
あくまでも私見ですが、総合評定値P点が500点台だとすると、「経審対策が不十分」か、もしくは「申請の方法に問題がある」のどちらかであると言ってよいかもしれません。前述した計算式を使って、X1、X2、Y、Z、Wのどの項目に不備があるのかを検討しなければなりません。一方で、総合評定値P点が700点台の会社でも、やり方によっては、より上位に点数を伸ばすことができる可能性があります。
このように、自社のP点が、平均なのか?平均以下なのか?という現状を把握することが、公共工事の受注に向けた対策のはじめの一歩ということができます。
【3】「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」でお困りの人
1.効率のよい公共工事の受注活動とは?
このページで記載したように、東京都の公共工事の入札に参加するには「経営事項審査」を受けて、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を取得しなければなりません。
それでは、「経営事項審査」を受けて「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を取得すれば、公共工事を落札できるか?というと、そこまで甘いものではありません。もちろん「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」がないと何も始まらないわけですが、公共工事を落札するには「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を取得しただけでは不十分なのです。
下記の表は、東京都の建築工事の等級算定表と等級ごとの発注標準金額の一覧です(なお、客観点数は、総合評定値P点を指します。主観点数は、過去6年の間に施工した工事のうち、請負金額が1番大きい工事の金額になります)。
客観点数 | 客観等級 | 主観点数 | 主観等級 |
---|---|---|---|
900点以上 | A | 4.4億点以上 | A |
750点以上900点未満 | B | 2.2億点以上4.4億点未満 | B |
650点以上750点未満 | C | 6,000万点以上2.2億点未満 | C |
600点以上650点未満 | D | 1,600万点以上6,000万点未満 | D |
600点未満 | E | 1,600万点未満 | E |
等級 | 発注標準金額 | ||||
---|---|---|---|---|---|
A | 4億4千万円以上 | ||||
B | 2億2千万円以上4億4千万円未満 | ||||
C | 6千万円以上2億2千万円未満 | ||||
D | 1千6百万円以上6千万円未満 | ||||
E | 1千6百万円未満 |
この表の詳細な説明は、ほかのページに譲りますが、ここで確認して欲しいのは、総合評定値P点(=客観点数)が高ければ高いほど、よりよい等級に格付けされることができ、よりよい等級に格付けされた方が、より金額の大きい公共工事の入札に参加できる可能性があるということです。
例えば、御社の建築工事の総合評定値P点が平均以下の620点だったとします。620点は、上記の表で言うところの「あまり良くない」部類に含まれます。この場合、総合評定値P点(客観点数)から算出される客観等級は「D」です。そのため、主観点数(主観等級)がどんなによくても、御社の最終等級が「A」「B」「C」になることはなく、良くても「D」等級どまりということになります。
そうすると、御社は「1千6百万円以上6千万円未満」の公共工事の入札に参加することはできても、「6千万円以上」の入札に参加することができなくなってしまいます。御社が「6千万円以上」の入札に参加するには、最低でも総合評定値P点(客観点数)を650点以上に上げて、客観等級を「C」に格上げしなければならないのです。
もちろん『等級は「D」や「E」でよい』という人は、それでも構いませんが、それでは公共工事の入札に参加する意味が薄れてきてしまいます。公共工事の入札に参加する以上、自社に有利な金額・条件で落札したいと考えるのは当然です。その場合、重要になってくるのが、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」に記載されている総合評定値P点なのです。
2.より高い総合評定値P点を取得するには?
効率のよい公共工事の受注活動を行うには、少しでも高いP点が必要です。では、より高い総合評定値P点を取得するには、どうすれば良いのでしょうか?
- X1評点を上げるには、売上高が高い方が有利です。
- X2評点を上げるには、純資産や繰越利益剰余金が重要になってきます。
- Z評点を上げるには、元請完成工事高および技術職員数を増やす必要があります。
- W評点を上げるには、従業員の労働環境の改善が必須です。
- Y評点を上げるには、財務状況をより良いものにしていく必要があります。
このように総合評定値P点をアップさせるための対策を上げればきりがありません。ただ、「売上高を上げる」にしても、限界があります。「技術職員数を増やす」にしても限度があります。「財務状況をよくする」にしてもやみくもにやってよいはずがありません。
それぞれ、ポイントを押さえながら、優先順位をつけて、総合評定値P点を上げていく必要があるのです。たとえば、「その他の審査項目(社会性)」の中にある、「建設業退職金共済制度への加入」「退職一時金制度の導入」「法定外労災への加入」をするだけで、売上高が何億円もアップしたのと同じ効果を得られることは、あまり知られていません。
また、「経営状況分析の点数(Y評点)」を上げるには、「純支払利息比率」「総資本売上総利益率」のチェックから行ったほうが効率的であることも、ほとんどの人が知りません。
「より高い総合評定値P点を取得する」ということは「公共工事の落札のために必要な対策を行う」ということとイコールです。漫然と経審を受けているだけでは、なかなか、公共工事の落札にたどり着くのは難しいでしょう。
3.お困りの人は、ぜひ、事前予約制の有料相談を!
ここまでお読みいただいて、それでも経営事項審査の手続きを自分でやってみる、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を自力で取得してみるという人は、ぜひ、自分の力でやってみてください。
但し一方で、まずは、専門家に相談してみたい、できれば手続きのすべてを外注したいとお考えの人は、ぜひ、行政書士法人スマートサイドに事前予約制の有料相談をお申込みください。
「なぜ無料相談ではなく有料相談なのか?」と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。弊所がわざわざ、無料ではなく、有料相談で、初回打ち合わせを実施する理由は、弊所に経営事項審査や公共工事の入札についてご相談いただくお客様一人ひとりに、より真剣に向き合い、最適なサポートを提供するためです。
このページをお読みいただいてわかる通り、「経営事項審査」「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書の取得」は、決して簡単な手続きではありません。もちろん、「結果通知書を取得するだけ」であれば、手引きやマニュアルを確認し、行政庁に相談しながらできるかもしれません。
しかし、経営事項審査は、一人ひとりの状況に応じたきめ細やかな対応が求められる、専門性の高い業務です。お客様の建設業許可取得の状況や、過去の工事実績などを丁寧にお伺いし、背景を深く理解することで、公共工事の落札の可能性を最大限に引き出すことができます。そのため、事前に必要な調査を行い、面談時には具体的かつ実行可能なアドバイスをお伝えすることを大切にしています。
無料相談の形式では、このような質の高い時間を十分に確保することが難しいため、あえて有料相談という形を取らせていただいております。これは、お客様の「公共工事落札に向けた気持ち」に本気で向き合い、最善の方法をご提供するための仕組みです。
- 東京都の公共工事を受注したい
- 東京都の入札参加資格を取得して、公共工事にチャレンジしたい
- すこしでもよい総合評定値P点を取得したい
- 「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」取得に向けて具体的なアドバイスが欲しい
といったお悩みを抱えていらっしゃる方こそ、ぜひ一度ご相談ください。お客様の目線に立ち、最善のサポートをお約束します。
もし本ページをご覧いただき、不明点やご質問がございましたら、どうぞお気軽に以下のお問い合わせフォームより有料相談をご予約ください。日程を調整のうえ、翌営業日中に必ずご返信させていただきます。みなさまのお力になるために全力でサポートさせていただきます。