公共工事を落札するために特定建設業許可が必要です!

(最終更新日:

相談者:建設会社工事部長

建築工事の一般建設業許可を持っています。いままでは、一般建設業許可で問題なかったのですが、公共工事の入札に参加するにあたって、特定建設業許可の取得が必要です。会社としても、どうしてもこの案件の入札に参加したいのですが、入札の期限まで時間がありません。できれば、手続きのすべてをスマートサイドさんにお願いしたいのですが、対応いただくことは可能でしょうか?

回答者:行政書士

公共工事の入札のために特定建設業許可が必要だということですね。もちろん、弊所にて対応させて頂くことは可能です。御社の「技術者要件」「財産的要件」を確認するのはもちろんのこと、公共工事の入札期限に間に合うか?が一番のポイントになりそうです。公共工事への参加を最優先で考える場合「決算期の変更」も視野に入れた柔軟な手続きが必要ですね。

公共工事の「入札説明書」を見ていると、入札に参加するための必要な条件として『建設業法第3条の規定による特定建設業許可を受けていること』といった記載があることがあります。この入札案件に参加するためには、入札参加資格を持っているだけでは足りず、特定建設業許可を持っていなければなりません。もし仮に御社の持っている建設業許可が一般建設業許可である場合、特定建設業許可を取得しなければこの案件の入札には参加することができないのです。

それでは、こういった状況に直面した場合、一般建設業許可を特定建設業許可に切り替えるには、どうすればよいのでしょうか?このページでは、特定建設業許可を取得するために必要な「技術者要件」と「財産的要件」の他に、「入札の期限はいつまでか?」という点に考慮しつつ「決算期変更(決算期の前倒し)」についても説明をさせて頂きます。

そもそも「東京都の入札参加資格をどうやって取得すればよいか」という基本的な流れから知りたい方は、こちらのページをご覧ください。

東京都の入札参加資格申請の専門家:行政書士法人スマートサイドの代表行政書士 横内賢郎

東京都の経営事項審査や公共工事の入札参加資格取得の専門家。入札の格付けをEからBにランクアップした実績や、クライアントが2億円を超える東京都の公共工事を受注するなど、専門知識をフルに使って、建設会社の公共工事の入札をサポート。「はじめての方のための経営事項審査入門書」を出版。東京都の公共工事の手続き・入札戦略に関するインタビューは、こちら。

特定建設業許可とは?

特定建設業許可は、一般建設業許可に対比して用いられる言葉ですが、通常、「建設業許可を取得したい」というときの建設業許可は、一般建設業許可を指します。この一般建設業許可は、500万円以上の工事を請負い、施工する際に必要な建設業許可です。

一方で、特定建設業許可は、「元請の立場で」「下請に」「5000万円以上の工事を発注する」際に、必要になる許可のことを言います。建築一式工事の場合、「5000万円以上」という金額の部分を「8000万円以上」と読み替える必要があります。(※令和7年1月までは「4500万円以上」、建築一式工事の場合は「7000万円以上」でしたが、令和7年2月の改正に伴い、現在の金額に変更されています。)

改正の経緯や改正前の金額までは覚える必要はないので、ここでは、

  • 元請の立場で
  • 下請に
  • 5000万円以上の工事を発注する場合
  • 建築一式工事の場合は8000万円以上の工事を発注する場合

に特定建設業許可が必要になるというように覚えておいてください。

特定建設業許可と、入札参加資格・等級格付けとの関係

「特定建設業許可を持っていないから」という理由だけで、東京都の入札参加資格そのものを取得できない、ということはありません。この点を正確に理解しておくことが重要です。

みなさんの周りにある建設会社にも、一般建設業許可のまま、東京都の入札参加資格を持っている会社がたくさんあるはずです。ただし、特定の案件ごとに見ていくと、「入札参加資格を持っていたとしても、特定建設業許可を持っていないとこの案件には参加することができません」という条件が付いている場合があります。

たとえば、東京都が発注している大規模な工事の「入札公告兼入札説明書」を見てみると、「競争入札に参加する者に必要な資格」として「建設業法第3条の規定による特定建設業の許可を受けていること」という条件が付いていることがあります。このような条件が付いている場合、東京都の建築工事の入札参加資格を持っていたとしても、一般建設業の会社はこの入札案件に参加することができず、この案件に参加するには、特定建設業許可を持っていなければならない、ということになります。

発注者である東京都も、工事の規模感や金額などを勘案したうえで「特定建設業許可が必要である」と判断しているはずです。工事発注規模が数億円という規模なのに、これを一般建設業許可業者が落札できてしまったら、「元請の立場で、下請に、5000万円以上の工事を発注する場合には特定建設業許可が必要である」という法律上の建前と矛盾してしまうことになりかねません。そこで、発注者は、特定建設業許可を持っている会社であることを条件に入札への参加を認めているのです。

なお、東京都の公共工事の入札参加資格において、特定建設業許可を持っていることが、等級(ランク)の格付けに有利にはたらくということはありません。等級の格付において「特定建設業許可が加点事由になる」「特定建設業許可の方が優遇される」ということは、少なくとも東京都においては、ありません。ただし、特定建設業許可を取得していたほうが、一般建設業許可のままでいるより、入札できる公共工事の幅が広がるということは言えるでしょう。

特定建設業許可を取得するための技術者要件

(1級資格者)

まず、特定建設業許可を取得するには、御社の常勤の技術者の中に1級の国家資格を持っている人がいることが必要です。例えば

  • 建築工事の特定建設業許可 → 一級建築施工管理技士、一級建築士
  • 土木工事の特定建設業許可 → 一級建設機械施工管理技士、一級土木施工管理技士
  • 電気工事の特定建設業許可 → 一級電気工事施工管理技士
  • 管工事の特定建設業許可  → 一級管工事施工管理技士

というように、1級の国家資格者がいるかいないかが、特定建設業許可を取得できるか否かの重要な分かれ目になります。

(監理技術者)

また、仮に1級の国家資格を持っていなくても、監理技術者証を持っている人がいれば、特定建設業許可の技術者要件を満たすことになります。監理技術者資格者証は、1級の資格を持っている人以外にも、一定の実務経験の年数を経ることによって、取得することができます。

一般建設業許可を特定建設業許可にするためには、まずは、社内に1級の国家資格者がいるか否か?監理技術者証を持っている人がいるか否か?の2点について、確認するようにしてください。

特定建設業許可を取得するための財産的要件

(財産的要件)

特定建設業許可を取得するための財産的要件は、以下の4つです。

  1. 欠損比率≦20%
  2. 流動比率≧75%
  3. 資本金≧2,000万円
  4. 純資産≧4,000万円

(財産的要件のタイミング)

上記の財産的要件のうち「1.欠損比率」「2.流動比率」「4.純資産」の3つについては、直近の確定した決算の貸借対照表によって、証明することが必要です。そのため、直近の確定した決算の時点で、条件を満たしていなければなりません。一方で、「3.資本金」については、特定建設業許可の申請時までに満たしていれば大丈夫です。財産的要件については、いつまでに何を満たしておけばよいか?が異なります。

(直近の決算で要件を満たしていない場合)

上記の「1.欠損比率」「2.流動比率」「4.純資産」の3つについて、直近の確定した決算で条件を満たしていない場合には、次回の決算まで待つ必要があります。例えば、3月末決算の会社であれば、直近の3月末決算の数字が上記の条件を満たしていなければ、次回(翌年)の3月末の決算に向けて対策を行い、翌年3月時点で上記の条件をクリアした状態で決算を確定させる必要があります。その後、特定建設業許可を申請することができるようになります。しかし、これでは、入札の期限に間に合わないケースもあります。

(入札期限まで間に合わない場合)

次回(翌年)の決算まで待っていたら、入札の期限をとっくに過ぎてしまうというようなケースもあるかと思います。上記の例でいうと、入札の期限が9月末なので、翌年3月を待って特定建設業許可を取得したのでは、遅いというパターンです。その場合には、決算期を変更(前倒し)して、特定建設業許可を取得するという方法があります。例えば、「翌年3月まで待っていられない」という場合には、3月末から5月末に決算日を変更するのです。この場合、変更初年度は、4月1日~5月31日までの2か月で事業年度が終わってしまいますが、その間に、増資をするなどして、特定建設業許可取得のための財産的条件を整えれば、5月末時点の決算で、特定建設業許可取得のための財産的要件を満たすことができるはずです。

この場合には、5月末の決算が確定するのが7月末です。東京都の場合、8月初旬に特定建設業許可を申請すれば、およそ一か月で許可通知書が届きます。入札期限にもよりますが、9月の下旬の入札期限には、十分間に合う可能性があります。

「1.欠損比率」「2.流動比率」「4.純資産」の財産的要件を満たしている必要があるタイミングは、申請日ではなく、直近の確定した決算の日です。直近決算の財務諸表を確認し、各種条件を確認する必要があります。

入札期限までに特定許可の取得を間に合わせたい人へ

行政書士

特定建設業許可の取得には「技術者要件」「財産的要件」を満たしている必要があります。「財産的要件」については、申請時までに具備していればよいというわけではありませんので、直近の確定した決算の数字をよく確認しておく必要がありますね。弊所にご依頼頂いた際は、書類作成はもちろんのこと、要件確認や申請までのスケジュール管理などにも対応させて頂きます。

✅ 特定建設業許可を取得するので、入札の期限を後ろ倒しにしてください。

✅ 入札は、うちの会社が特定許可を取るまで、待ってください。

ということができれば楽かもしれません。しかし、公平性が求められる公共工事の入札において、役所の担当者としても、御社の状況だけに配慮して、入札期限を動かすことはできないでしょう。であれば、御社が急いで特定建設業許可を取得するしか方法がありません。

こんな時こそ、行政書士法人スマートサイドの専門性と法人としての信用性を頼ってみてはいかがでしょうか?もちろん、自社の力で急ぎ対応ができるのであれば、それでも構いません。また、付き合いのある行政書士の先生に頼んでもらっても構いません。しかし、

  • 公共工事の期限が目前に迫っている
  • タイムロスが許されない
  • 決算期の変更も含めて対応が必要

といった複雑で迅速な対応が必要な案件については、専門知識や過去の実績が頼りになるのは言うまでもありません。

弊所がこれまでサポートしてきた実例を、2つご紹介します。

1つは、中野区の公共工事を継続して落札している建設会社のケースです。この会社は、建築一式工事の一般建設業許可を持っていましたが、より規模の大きい公共工事を受注するためには「一般建設業許可を特定建設業許可に切り替える必要がある」という社長の判断のもと、弊所にご相談に見えました。もともと一般建設業許可を持っていたのですが、専任技術者を2級建築施工管理技士から1級建築士に変更して技術者要件を充足し、財産的要件は増資を行うことによって充足しました。このように、規模の大きい公共工事を狙うために、今持っている一般建設業許可を特定建設業許可に変更するという例は、少なくありません。

もう1つは、練馬区の解体工事を何年にもわたって受注している解体工事会社のケースです。実際に弊所では、「決算期を10か月も前倒しして、特定建設業許可を取得し、工期に間に合わせた」実績があります(クリックするとページが移動します)。この会社は、特定建設業許可取得後に無事、練馬区の公共工事を落札しています。

もし、御社が同じような状況でお悩みの場合、ぜひ、行政書士法人スマートサイドにご連絡下さい。お申込みは、下記問い合わせフォームから受付しております。

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