東京都入札資格(電気工事)の等級格付・発注標準金額をわかりやすく解説

このページは、東京都の公共工事の入札参加資格申請手続きの専門家である行政書士法人スマートサイドが、東京都の電気工事の入札参加資格を取得したいとお考えの人のために、「等級格付」「発注標準金額」について、わかりやすく解説したページです。

みなさんの中には、

  • 東京都の電気工事の入札に参加したい
  • 都や区の公共案件を落札したい
  • 電気工事の「A」「B」「C」「D」というランクの意味が分からない

ということでお悩みの人はいらっしゃいませんか?弊所は、東京都の公共工事の入札参加資格を専門に扱う行政書士法人です。電気工事は、もちろんのこと、建築工事、舗装工事、土木工事など、東京都の公共工事の入札参加資格の申請をおこなっています。

そんな中で、特に多いのが、等級格付・発注標準金額についての質問です。

公共工事の等級格付や発注標準金がわかりづらいのは、発注機関(役所)によって、格付けの方法や発注予定金額が、ばらばらで統一されていないということが原因にあります。例えば、東京都と神奈川県では、等級格付の方法や、発注標準金額が全く異なります。

また、同じ東京都の中でも、業種によっても違いがあります。例えば、建築工事と電気工事の等級格付や発注標準金額は異なりますし、舗装工事と電気工事でも、それぞれ、格付方法や金額が変わってくるのです。

このように、「公共工事の入札参加資格の、等級や金額を理解したい」と思っても、素人の人が、すぐに理解できるほど、簡単ではなく、むしろ、とても難しい分野であるということができます。頻繁に公共工事を落札している建設会社の社長でさえも、正確に理解できている人は、すくないイメージです。

そこで、このページでは、東京都が発行している公報を参考に『東京都』の『電気工事』に絞って、等級格付や発注標準金額について、できるだけわかりやすく解説していきたいと思います。

東京都の電気工事の発注標準金額

まず、みなさんに知っておいて欲しいのは、東京都が公表している「電気工事の発注標準金額」です。東京都の電気工事の入札参加資格を取得しているのに、自分の会社の等級がわからないという人は、いないと思います。一方で、「何等級だと、いくらぐらいの金額の入札に参加できるのか?」という点についてまで、知っている人は、少ないのではないでしょうか?

みなさんの中には、「そもそも、東京都がこんな情報を公表しているのか?」と驚かれる方もいるかもしれません。こういった情報をきちんと整理できているか否かが、公共工事を効率よく受注できるか否かの分かれ目にもなってきますので、ぜひ、頭の中に入れておいてください。

等級 発注標準金額
A 5,500万円以上
B 1,800万円以上 5,500万円未満
C 600万円以上 1,800万円未満
D 600万円未満

上記の等級ごとの発注標準金額の一覧をご覧ください。

  • 等級が「A」だと5,500万円以上の公共工事(電気工事)の入札に参加することができる
  • 等級が「B」だと1,800万円以上5,500万円未満の公共工事(電気工事)の入札に参加することができる
  • 等級が「C」だと600万円以上1,800万円未満の公共工事(電気工事)の入札に参加できる
  • 等級が「D」だと600万円未満の公共工事(電気工事)の入札にしか参加できない

ということを表しています。

「そんなに大きい公共工事は、狙っていない」という人は「D」でも良いかもしれません。しかし、「D」だと600万円未満の公共工事の入札にしか参加できないので、公共工事の入札に参加するメリットが少ないかもしれません。多くの会社は、「D」よりも「C」、「C」よりも「B」というように、より大きな金額の公共工事の落札を目指して、等級を上げていきたいと考えています。

以上が、「等級」と「発注標準金額」の関係性の説明になりますが、お分かりいただけましたでしょうか?

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東京都の電気工事の格付の方法

「等級」と「発注標準金額」の関係性が理解できた人の多くは、「D」よりも「C」、「C」よりも「B」という、より上位のランクを取得したいと思っていることと思います。なぜなら、「D」よりも「C」、「C」よりも「B」の方が、より金額の大きい電気工事の入札に参加できる可能性があるからです。それでは、こういった「A~D」の等級(ランク)は、どのように決められているのでしょうか?

等級格付の方法を理解するうえで、大事なのが、以下の表です。

客観点数=客観等級

経営事項審査の点数(総合評定値P点)

主観点数=主観等級

過去最高完成工事経歴の請負金額(税込み)

750点以上 A 5500万点以上 A
600点以上750点未満 B 1800万点以上5500万点未満 B
500点以上600点未満 C 600万点以上1800万点未満 C
500点未満 D 600万点未満 D

この表も、東京都の公報に公表されている表です。客観点数、主観点数という、見慣れない・聞き慣れない文字がたくさん出てきていますので、以下で、詳細に解説させて頂きます。ポイントは、「まず、客観等級を算出し、続いて主観等級を算出し、より低い方の等級が、御社の最終等級になる」という点です。

客観点数(総合評定値P点)/客観等級

まず、表の向かって左側の「客観点数=客観等級」について、説明します。表の左側の点数(客観点数)は、経営事項審査の結果である総合評定値P点のことを指します。

みなさんは、東京都の公共工事の入札参加資格を取得するにあたって、経営事項審査を必ず受けているはずです。経営事項審査は、公共工事を受注する会社が、必ず受けていなければならない手続きですので、入札に参加するのに、経営事項審査を受けていないということはあり得ません。

経営事項審査を受けると、経営事項審査の結果通知書(「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」)を受領することができます(上図参照)。その結果通知書に書いてある電気工事の「総合評定値P点」が、「客観点数」です。

経営事項審査の結果通知書に記載されている総合評定値P点が

  • 750点以上の場合、御社の客観等級は「A」
  • 600点以上750点未満の場合、御社の客観等級は「B」
  • 500点以上600点未満の場合、御社の客観等級は「C」
  • 500点未満の場合、御社の客観等級は「D」

ということになります。客観点数から客観等級が導き出されるのです。

なお、経審の結果である総合評定値P点が、高ければ高いほど、客観等級は良くなります。経審の結果である総合評定値P点が低ければ低いほど、客観等級は悪くなります。このように、経営事項審査の結果である総合評定値P点と、入札参加資格の等級格付は、密接に関連していることがわかると思います。

そのため、規模の大きい公共工事を落札したいと考えた場合、「ただ漫然と経審を受けている」だけではダメで、「どうやったら経審の点数がより高くなるか?」「次年度に向けてどういう対策が必要か?」という視点が非常に大事になってきます。このあたりは、素人の方だとかなり難しい分野になってきますので、ぜひ、経営事項審査や入札参加資格を専門に取り扱っている弊所のような行政書士事務所に相談をしてみてください。

主観点数(過去最高完成工事経歴の請負金額)/主観等級

表の左側(客観点数=客観等級)が、わかったとして、表の右側(主観点数=主観等級)は、何を指しているのでしょうか?

この主観点数は、東京都の入札参加資格を申請する際に、東京都電子調達システム上で入力する「過去最高完成工事経歴」の「請負金額(税込み)」を指します。

例えば「過去最高完成工事経歴」の「請負金額(税込み)」が、2,200万円だった場合、主観点数は2,200万点となりますし、「過去最高完成工事経歴」の「請負金額(税込み)」が、660万円だった場合、主観点数は660万点となります。「請負金額(税込み)」が、そのまま「主観点数」になるので、理解がしやすいと思います。但し、請負金額がそのまま主観点数となるのは公共工事の実績のみです。民間発注の工事については、「請負金額(税込み)」×1/2が、主観点数になる点に注意が必要です。

例えば、「過去最高完成工事経歴」の「請負金額(税込み)」が、1,000万円の場合。この工事経歴が、公共工事の場合には、主観点数は1,000万点になりますが、民間工事の場合には、1/2を掛け算した500万点が主観点数になります。

また、どんな工事でも過去最高完成工事経歴として入力できるわけではありません。過去最高完成工事経歴として入力できる工事には、以下の通り条件があります(※わかりやすく説明するために条件を簡略化して記載しています。実際に申請する際には、手引きの該当箇所をよく確認のうえ、入力を行ってください)。

(条件)

  1. 過去6年間に完成した電気工事であること
  2. 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県で施工した電気工事であること

これらの条件を満たした工事の情報を「過去最高完成工事経歴」として東京都電子調達システムに入力し、入札参加資格を申請することによって、主観点数=主観等級が算出されます。

なお、東京都電子調達システムの実際の入力画面は以下のようになっています。

以下では、過去最高完成工事経歴の具体例をもとに、主観点数ひいては主観等級の算出方法を見ていきたいと思います。

過去最高完成工事経歴の具体例(その1)

過去完成工事経歴(その1)
件名 ○○マンション電気工事
施工場所都道府県 東京都
発注者 ○○マンション管理組合
請負金額(税込み) 750万円

まずは、具体例その1です。この工事は、施工場所都道府県が「東京都」となっているため、条件2を満たします。よって、過去6年間の間に完成した工事であれば、条件1も満たすことになり、過去最高完成工事経歴として入力が可能です。

ただ、この工事は、公共工事ではなく、発注者が「○○マンション組合」という民間事業者のため、民間工事に該当します。その場合、請負金額(税込み)が、そのまま、主観点数になるわけではなく、請負金額(税込み)に1/2を掛け算したものが主観点数になります。

具体例その1では、過去最高完成工事経歴に入力した工事が民間工事であるため、請負金額(税込み)は750万円であるものの、主観点数に換算する際に×1/2として計算されるため、主観点数は750万点ではなく、375万点となります。

その結果、この会社の主観等級は「600万点未満」の「D」に該当することになります。

過去最高完成工事経歴の具体例(その2)

過去最高完成工事経歴(その2)
件名 □□区立□□小学校電気工事
施工場所都道府県 東京都
発注者 □□区
請負金額(税込み) 33,000万円

続いて、具体例その2です。この工事も、施工場所都道府県が「東京都」となっているため、条件2を満たします。よって、過去6年間の間に完成した工事であれば、条件1も満たすことになり、過去最高完成工事経歴として入力が可能です。

念のために記載すると、この工事の施工場所が、仮に「北海道」だった場合、施工場所の要件である条件2を満たさないため、どんなに工事請負金額が高くても、過去最高完成工事経歴として入力することはできません。また、仮に、この工事の完成日が10年前であったら、条件1の「過去6年間に完成した工事であること」の条件を満たしません。そのため、この場合にも、どんなに金額の大きな工事であったとしても、過去最高完成工事経歴として入力することはできません。

具体例その2の工事は、「□□区立□□小学校電気工事」は、発注者が「□□区」である公共工事です。公共工事の場合は、民間工事と違って、工事請負金額がそのまま主観点になります。

その結果、この会社の主観点数は3,300万点、主観等級は「B」に該当することになります。

過去最高完成工事経歴/主観点数の注意点

なお、このページでは、わかりやすさを第一に考えて、説明を省略したり、簡素化している部分があります。詳しくは東京都の公報を詳細に確認してもらいたいのですが、いくつかの注意点を記載します。

1.完成年月日について

完成年月日は、説明をするうえでわかりやすく「過去6年間」と記載しました。実際には、申請する年度やタイミングによって、若干のずれがあります。「完成予定の工事を入力することができるケース」もありますので、詳しくは、手引きや公報を確認してみてください。

2.主観点数加算率について

主観点数が加算されるケースについても、説明を省略しましたが、一定の条件を満たすことによって、主観点数が3%~20%、加算されることがあります。例えばISOを取得していたり、エコアクション21を取得していると、加算の対象になることがあります。

3.JVについて

JV(共同企業体)において施工した工事の工事経歴を申請する場合には、請負金額に出資割合を乗じた額を入力する必要があります。

等級格付の方法/最終等級

ここまでの説明で、「客観点数=客観等級」と「主観点数=主観等級」の算出の方法をご理解いただけたと思います。自分の会社の「客観等級」「主観等級」がわかったとして、最終等級は、どのように格付けされるのでしょうか?

発注標準金額の基準となる最終等級は「客観等級」と「主観等級」のより低い方の等級によって決まります。

例えば

  • 客観等級が「C」、主観等級が「C」の場合、最終的な等級は「C」になります。
  • 客観等級が「A」でも主観等級が「B」ならば、最終的な等級は「B」になります。
  • 客観等級が「D」、主観等級が「C」の場合、最終的な等級は「D」になります。

このように、最終的な等級は、客観等級と主観等級が一致しているのであれば、その等級が、そのまま最終的な等級になります。しかし、客観等級と主観等級にズレがある場合、より低い方の等級が御社の最終等級になります。

ここでも具体例を見ていくことにしましょう。

経営事項審査の結果 過去最高完成工事経歴
電気工事のP点=700点 民間工事=3,200万円(税込み)

上記の表のように、経営事項審査を受けた結果、電気工事の総合評定値P点が700点だった会社があるとします。P点が700点ということは、「客観点数=600点以上750点未満」に該当するため、客観等級は「B」になります。

一方この会社の過去最高完成工事経歴は、3,200万円(税込み)の民間工事です。この会社に公共工事の受注実績があれば、別途、公共工事の実績も過去最高完成工事経歴として入力することができますが、この会社には、公共工事の受注実績がないため、民間工事の3,200万円が、過去最高完成工事経歴だとします。その場合、民間工事であるため、3,200万円に1/2を掛け算した1,600万点が、主観点数になります。1,600万点は「主観点数=600万点以上1,800万点未満」に該当しますから、主観等級は「C」になります。

ここまで見てきてわかるように、この会社の

  • 客観等級は「B」
  • 主観等級は「C」

のため、最終等級は「C」になります。最終等級が「C」であるということは、この会社が入札に参加できる発注予定金額は「600万円以上1,800万円未満」になります。

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東京都から実際に公表されている電気工事の案件の解説

ここまでの説明で、東京都の入札参加資格に関する電気工事の「等級格付」「発注標準金額」について、ご理解いただけたかと思います。それでは、ここからはより実践的に、東京都から実際に公表されている電気工事の案件を見ていくことにしましょう。

案件その1

案件その1は、実際に東京都から公表されている案件の一部を画像にして貼り付けたものです。「3希望申請可能格付」を見ると「B,A格」となっています。この案件の入札に参加するには、電気工事の「B」または「A」の等級を持っていなければならないことを意味します。

また、「4地理的条件」には「東京都と契約する営業所が都内にあること」といった条件があります。東京都の入札参加資格を持つことは、日本全国どの建設会社でもできますが、この案件に参加できるのは、東京都内に営業所がある会社に限られていることになります。

さらには「6配置予定技術者」には「営業所の専任技術者でないこと」と記載があります。つまり、建設業許可の許可要件になっている専任技術者として登録をした人は、この工事の配置予定技術者になることができません。

このように、実際の発注案件を見てみると、「A」「B」「C」「D」という等級以外に、入札に参加するためのさまざまな条件が付されていることがわかると思います。

案件その2

それでは、続いて「案件その2」を見ていくことにしましょう。案件その2も案件その1と同様に、東京都から実際に発注されている案件の「入札参加条件」の一部を画像にしたものです。令和○○年度の「08電気工事」の入札参加資格を持っていることを前提に、②として

  • (1)A等級の中小企業であること
  • (2)B等級の中小企業であること
  • (3)C等級の中小企業のうち、官公庁発注の15,313千円以上の工事実績もしくは民間事業者発注の30,626千円以上の工事実績があること

が条件とされています。御社が「A」「B」の会社であれば、何の問題もなくこの入札に参加することができますが、もし仮に、御社が「C」の会社であった場合、一定規模の工事の受注実績がないと、この案件の入札に参加することができないことになります。

なお、営業所の場所的要件として「②東京都と契約する営業所が都内にあること」といった要件が付されているのは、案件その1と同様です。

実際に東京都から公表されている案件を見ることによって、どういった条件が付されているのかが分かると思います。営業所の場所的要件や、配置技術者の要件など、等級以外にも、入札に参加するためにクリアしなければならない壁があるのです。

なお、東京都から公表されている案件は、「東京都電子調達システム>入札情報サービス」のページから検索することができます。

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等級を格上げするための具体的な方法

ここまでページをお読みになった人の中には、「どうやったらCをBにできるのか?」といったように、等級を格上げする方法について、興味を持った人もいるかもしれません。

例えば、御社の等級が「B」であれば、「案件その1」「案件その2」の両方の入札に参加できるのに、御社の等級が「C」であれば、「案件その1」の入札には参加することができず、「案件その2」の入札にも参加することができない可能性があります。さらに、御社の等級が「D」であった場合、「案件その1」「案件その2」の両方の入札に参加することができないのです。

せっかく東京都の入札参加資格を持っているにもかかわらず、「D」という等級が理由で、お目当ての入札案件に参加できないことになります。

東京都の公共工事を落札したくて、経営事項審査を受けて、入札参加資格を取得したのに、等級が低くて思ったように公共工事の受注活動ができないようでは、入札参加資格を取得した意味がありません。

そこで、以下では、等級を格上げするための具体的な方法について、解説していきたいと思います。御社の最終的な等級を上げるには、「客観等級」と「主観等級」の両方に配慮しなければなりません。なぜなら、客観等級がどんなに良くても主観等級が悪ければ、主観等級が御社の最終的な等級になり、主観等級がどんなに良くても客観等級が悪ければ、客観等級が御社の最終的な等級になるからです。

客観等級を上げるための具体的な方法

客観等級は、客観点数によって決まります。客観点数は、経営事項審査の結果である総合評定値P点のことです。そのため、客観等級を上げるには、総合評定値P点を良くするしか方法がありません。

総合評定値P点を良くするには、さまざまな方法がありますが、弊所では、以下の点について、お客さまにご案内をしています。

1:建退協への加入および履行証明書の取得

経営事項審査の結果である総合評定値P点を良くしたいのであれば、建退協へ加入し、決算期ごとに履行証明書を取得するようにしましょう。よくある勘違いとして、「建退協に加入さえしていれば、経審の点数が良くなる」と勘違いしている人もいます。しかし、建退協に加入しているだけでは、点数が良くなることはありません。

建退協に加入したうえで、建退協から「経営事項審査用の加入・履行証明書」を発行してもらわなければなりません。発行方法についての詳細は割愛しますが、以下のサイトをご確認のうえ、不明点などは、建退協のホームページを参考に確認をしてみてください(詳しくはこちら

2:退職金制度の充実

建退協の他に、自社で退職金規定を設け退職金制度を導入している場合や、中退共に加入している場合も、経営事項審査の点数が良くなります。これは、会社で働いてくれている従業員の福利厚生を充実させているという観点から、経審の審査項目であるW点が相対的に高くなるからです。

就業規則の他に退職金規定を設けることによって、点数アップを期待できますが、退職金規定には、労働基準監督署の受付印が必要ですので、退職金規定を作っただけでは、点数アップの対象にはなりません。

3:法定外労災への加入

法定外労災に加入していることも、経審の点数アップの対象になります。建設会社において、法定外労災に加入していないという会社は、少ないため、もし仮に御社が「法定外労災に加入していない」もしくは「法定外労災に加入していることを証明することができない」となると、他社に比べて、点数がより低くなってしまいます。そのため、法定外労災への加入は必須と考えてよいでしょう。

主観等級を上げるための具体的な方法

主観等級は、主観点数によって決まります。主観点数は、過去最高完成工事経歴の請負金額(税込み)です。そのため、1件あたりの工事の請負金額を上げていく努力が必要です。

1:官公庁発注の工事の受注

過去最高完成工事経歴の請負金額が主観点数になることは、すでに説明済みですが、ここでもう一度注意して頂きたいのが、官公庁発注の公共工事については、請負金額がそのまま主観点数になりますが、民間工事については、請負金額×1/2が主観点数になる点です。

たとえば、1億円の民間工事より、5,500万円の公共工事の方が、主観点数は高くなります。そのため、規模の小さな額でもよいので、できるだけ公共工事を受注するように工夫をしてみてください。

2:値引きの禁止

取引先や元請から値引き交渉を受けることもあるかと思いますが、「主観等級を上げる」という観点からすると、値引きをして工事を受注することはあまりお勧めできません。主観点数は、1件あたりの工事請負金額(税込み)で決まります。契約金額を値引けば値引くほど、主観点数は下がってしまいます。主観点数が下がってしまえば、主観等級も下がります。

主観等級が下がってしまうと、どんなに経審対策を頑張って客観等級を上げたとしても、意味がありません。客観等級と主観等級の間にずれがある場合には、より低い主観等級が、御社の最終等級になってしまうからです。

そういった意味で、工事請負金額の不当な値引きは、出来る限り避けた方がよいでしょう。

3:工事施工場所について

主観点数の基準となる過去最高完成工事経歴に入力できる工事は、施工場所が「東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県」に限られています。九州や沖縄や北海道が施工場所の工事で、どんなに金額の大きい工事を受注したとしても、それによって、主観点数が伸びることはありません。

そのため、出来る限り営業範囲を絞って、施工場所が「東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、栃木県、群馬県」の工事を受注することをお勧めいたします。

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東京都の電気工事の入札に参加したい人へ

さて、長くなりましたが、東京都の公共工事のうち、電気工事の入札参加資格の等級格付・発注標準金額・実際の案件解説・等級アップの方法について、解説してきました。よくお分かりいただけましたでしょうか?

ページ冒頭でお話ししたように、公共工事の入札参加資格の難しいところは「東京都」には東京都のルールがあり、「神奈川県」には神奈川県のルールがあるといったように、自治体によって、ルールがバラバラであり統一されていない点にあります。また、同じ東京都でも、このページで説明した「電気工事」と「建築工事」や「道路舗装工事」では、等級格付の基準、発注標準金額は、まったく異なります。

さらに、このページで説明しきれなかった箇所として、経営事項審査の仕組みやP点の算出方法についての解説があります。公共工事を受注するには、経審の仕組み、P点の算出方法についての理解は必須です。

とはいうものの、やはり、公共工事の入札参加資格は、「専門家の専門分野」というのが適切で、素人の人が、手引きやマニュアルを読んで理解できるというものではありません。もちろん、仕組みや方法を理解しようと勉強する姿勢は、とても素晴らしいものがあります。しかし、より効率的に公共工事の受注を行いたいという場合には、外部の専門家にお任せするのが、一番の得策と言えるでしょう。

行政書士法人スマートサイドには、経営事項審査や入札参加資格の申請において過去にさまざまな実績があります。等級がDからBに飛躍的にアップしたケースもあります。

弊所では、お客さまのご要望に応じて、1時間11,000円の有料相談も実施しています。東京都電子調達システムの操作方法、案件検索の仕方や、経営事項審査における点数アップのポイントなどを細かくご案内させて頂くことが可能です。

もし東京都の電気工事の入札参加資格でお困りの人がいれば、ぜひ、下記問い合わせフォームからお問い合わせください。

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