相談者:建設会社社長
毎年、経営事項審査を受けていますが、いっこうに公共工事を落札できる気配がありません。経営事項審査の結果である「総合評定値P点」が関連しているらしいのですが、社員に聞いても、いまいちよくわかりません。相談できる人がいないので、スマートサイドさんの有料相談を申込みたいです。
回答者:行政書士
「総合評定値P点」についてですね。弊所のもっとも得意とする分野です。社長の期待にお応えして、『1.そもそも総合評定値P点とは何なのか?』『2.どうやって算出するのか?』の2点に絞って、説明をさせて頂きます。より、詳しく知りたい場合には、有料相談にてご対応させて頂きますね。
経営事項審査の「総合評定値P点」とは?
今回のご相談のように、「経営事項審査は毎年欠かさず受けているけど、経営事項審査の結果=総合評定値P点について、きちんと理解できていない人」は。多いようです。とくに
- 自社で手続きを完結させている
- 行政書士の先生に手続きを頼んでいない
- 行政書士の先生に手続きを頼んでいるが専門知識がない
といった場合、社長が「総合評定値P点」の仕組みや入札との関連性について、理解するのは、難しいかもしれません。
そこで以下では、「そもそも総合評定値P点とは何なのか?」「どうやって算出するのか?」の2点について、ご説明をさせて頂きます。
1.そもそも総合評定値P点とは、何なのか?
総合評定値P点とは、経営事項審査を受けた際に、受けた業種ごとに付与される点数のことを言います。経営事項審査を受けると、経営事項審査の結果通知書である「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が送られてきます。その結果通知書には、経審を受けた業種ごとに「総合評定値P点」が記載されています。
経審を受けている会社であれば、「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」を見たことがあると思います。
この「総合評定値P点」は、業種ごとの経営事項審査の結果です。一般的に点数が高ければ高いほど、良いとされています。つまり、点数が高ければ高いほど、より規模の大きい公共工事の入札に参加できる可能性が高まるというわけです。
たとえば、下記のような東京都の発注案件があった場合、建築工事の等級が「B」であればこの案件に参加することができます。
業種 | 0700:建築工事 |
---|---|
件名 | 令和〇年度 第二建設事務所世田谷工区太陽光発電設備設置に伴う施設改修工事 |
条件 | 業種「建築工事」の等級「B」に格付けされていること。 |
しかし、経営事項審査の結果である総合評定値P点の点数が低いと、格付けも低くなり「C」や「D」や「E」になってしまいます。仮に御社の格付けが「D」だった場合、上記案件の入札には参加することができません。そのため、「B」等級に格付けされるように経審の結果を良くしていくか?もしくは「D」の格付けでも参加することができる案件を探さなくてはなりません。
- 経審の結果である総合評定値P点が高ければ、「A等級」に格付けされ、より規模の大きい公共工事の入札に参加できるようになる
- 経審の結果である総合評定値P点が低ければ「D」や「E」の等級に格付けされ、金額の小さい公共工事にしか参加できない
という関連性にあることをご理解いただけましたでしょうか?
2.総合評定値P点の算出方法
総合評定値P点は、以下のような計算式を用いて算出します。
総合評定値P点=(X1×0.25)+(X2×0.15)+(Y×0.20)+(Z×0.25)+(W×0.15)
X1やZやWというローマ字がたくさん出てきて、面食らってしまった人もいることでしょう。X1やX2…は、経営事項審査の審査項目のことを意味します。より具体的に書くと、下記の表のようになります。
記号 | 審査内容 |
---|---|
X1 | 完成工事高などの経営規模 |
X2 | 自己資本額や利益など |
Z | 技術職員の数をはじめとした技術力 |
W | 従業員などの福利厚生などの社会性 |
Y | 財務諸表から読み取る経営状況 |
経営事項審査では、このようなさまざまな項目を審査して、複雑な計算式を用いて、総合評定値P点を算出しています。その総合評定値P点を元に、公共工事の入札参加資格の「格付け」が行われ、「A~E」といった等級や「順位」が、与えられるのです。
その等級や順位をもとに、入札に参加できる公共工事の規模や金額がグループ分けされているのです。そのため、経営事項審査の結果である総合評定値P点を、いかに高くするか?もしくは、どうやって維持するか?という点から、公共工事の入札対策を行う必要があるのです。
「総合評定値P点」について、より詳しく知りたい人へ
行政書士
いかがでしたか?経営事項審査の「総合評定値P点」について、理解は深まりましたか?P点が、公共工事の入札にどう関係しているのか?どういった審査項目を元に算出されているのか?について、説明をさせて頂きました。
経営事項審査や総合評定値P点について、より詳しくお知りになりたい方は、ぜひ、弊所の有料相談をご活用ください。
- 経営事項審査を「なんとなく」受けている。
- 総合評定値P点の対策の仕方がわからない
- 「P点」と「公共工事の格付」についてもっと詳しくしりたい
という人はいらっしゃいませんか?実は、経営事項審査や公共工事の入札参加資格は、とても奥が深く、このページで記載したことは、ほんの一部です。
「自社のP点を上げるには、どういったことが必要か?」「どの項目から準備すれば、効率良く点数が上がるのか?」など、専門家にしかわからない知識もあります。
もし御社が、経審や入札について、本気で取り組みたいという場合には、ぜひ、60分10,000円の有料相談をお申込みください。(※弊所へのご連絡は、下記問い合わせフォームからのみ承っております)。