✅ 経営事項審査を受けているものの、なかなか公共工事の入札を落札できない
✅ 東京都の入札資格を持っているけど、等級(ランク)が低いままで困っている
✅ もう少し大きい規模の公共工事を受注したいけど、点数の上げ方がわからない
ということでお困りの人はいらっしゃいませんか?
経審の点数(総合評定値P点)や入札の際の等級(ランク)が、思ったように上がらず、苦労している建設会社は、多いようです。せっかく経営事項審査を受けて、入札参加資格を取得しているのに、格付けが「Dランク」や「Eランク」のままでは、期待していたほどの成果を上げることができず、「公共工事を受注して、なんとか売上高を伸ばしたい」というモチベーションも下がってしまいます。
ましてや、等級(ランク)が低い原因がわからないとなると、対策の打ちようがありません。点数の上げ方を知らなければ、点数の上げようがないのです。
そこで、このページでは、東京都の公共工事の入札参加資格の専門家である行政書士法人スマートサイドが、東京都の公共工事の等級格付け基準を説明しつつ「等級(ランク)を上げるには、どのような対策が必要か?」という点を解説して行きたいと思います。
なお、等級の格付基準については、各自治体ごとにルールが異なります。そのため、このページでは、東京都の公共工事の入札に絞って解説をさせて頂きます。他の県とは、異なりますので、ご注意ください。
東京都公共工事|等級(ランク)の格付基準
すでに、経営事項審査を受けている、もしくは、東京都の入札参加資格を持っている会社で、「点数や等級(ランク)が上がらない」と悩んでいる人は、まずは、「格付基準」を理解することが必須です。
「格付基準」とは、入札参加資格を申請した後に、会社ごとに割り振られる「A」「B」「C」「D」「E」の等級(ランク)を決定する基準のことを言います。「格付基準」がわからなければ、どのような方法で、自分の会社に「E」ランクが付与されたのかがわかりません。これだと「E」ランクを「D」ランクにアップさせたいと思っても、対策のしようがありません。
逆に、「格付基準」を理解していれば、どのような対策を行うことによって「E」を「D」にできるのかが、なんとなくわかってくると思います。そこで、まずは、東京都の公共工事の「格付基準」について、説明いたします。
等級算定表(表1~表4)
(表1:舗装工事)
客観点数 | 客観等級 | 主観点数 | 主観等級 |
---|---|---|---|
900点以上 | A | 2億点以上 | A |
750点以上900点未満 | B | 8,000万点以上2億点未満 | B |
650点以上750点未満 | C | 3,000万点以上8,000万点未満 | C |
600点以上650点未満 | D | 700万点以上3,000万点未満 | D |
600点未満 | E | 700万点未満 | E |
(表2:水道施設・下水道施設・一般土木工事)
客観点数 | 客観等級 | 主観点数 | 主観等級 |
---|---|---|---|
900点以上 | A | 3.5億点以上 | A |
750点以上900点未満 | B | 1.6億点以上3.5億点未満 | B |
650点以上750点未満 | C | 4,000万点以上1.6億点未満 | C |
600点以上650点未満 | D | 1,000万点以上4,000万点未満 | D |
600点未満 | E | 1,000万点未満 | E |
(表3:建築工事)
客観点数 | 客観等級 | 主観点数 | 主観等級 |
---|---|---|---|
900点以上 | A | 4.4億点以上 | A |
750点以上900点未満 | B | 2.2億点以上4.4億点未満 | B |
650点以上750点未満 | C | 6,000万点以上2.2億点未満 | C |
600点以上650点未満 | D | 1,600万点以上6,000万点未満 | D |
600点未満 | E | 1,600万点未満 | E |
(表4:電気・給排水衛生・空調工事)
客観点数 | 客観等級 | 主観点数 | 主観等級 |
---|---|---|---|
750点以上 | A | 5,500万点以上 | A |
600点以上750点未満 | B | 1,800万点以上5,500万点未満 | B |
500点以上600点未満 | C | 600万点以上1,800万点未満 | C |
500点未満 | D | 600万点未満 | D |
上記の表は、東京都が公表している工事業種ごとの「等級算定表」になります。「表1は建築工事」「表2は水道施設・下水道施設・一般土木工事」「表3は建築工事」「表4は電気・給排水衛生・空調工事」になっています。各工事ごとに、等級を算定する基準が異なりますので、まずは、自分の会社がどの業種の入札参加資格を持っていて、どの表を見れば良いかをご確認ください。
等級算定表の見方(客観点数・主観点数)
(客観点数)
客観点数は、経営事項審査の総合評定値P点のことです。すでに、経営事項審査を受けているという会社には、経営事項審査の結果通知書である「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」が届いていると思います。その「経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書」には、経審を受けた工事業種ごとに、経審結果の点数である総合評定値P点が記載されています。
そのP点を等級算定表の客観点数にあてはめることによって、客観等級を算出します。
このように、まずは、客観点数(総合評定値P点)から客観等級を導き出します。
(主観点数)
客観点数から客観等級を導き出したあとは、主観点数から主観等級を導き出します。下記の表の条件をすべて満たす「過去の最高完成工事1件あたりの税込請負金額(千円単位)」が、主観点数になります。
過去最高完成工事経歴(主観点数)に該当する条件 | |
---|---|
条件1 |
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条件2 |
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条件3 |
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注意 |
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例えば、東京都の空調工事の入札に参加すると会社の場合。
過去6年の間に東京都近郊で完成させた空調工事の実績があれば、その実績の中で、1番金額の大きい工事が、過去最高完成工事経歴として、主観点数算出の根拠になります。
仮に、その工事が3,000万円の公共工事だった場合、主観点数は3,000万点となり、表4の主観点数「1,800万点以上5,500万点未満」に該当するため、主観等級は「B」になります。仮に、その工事が民間工事だった場合、その工事の請負金額に1/2を乗じた金額が主観点数になるため、主観点数は1,500万点(3,000万円×1/2)となり、表4の主観点数「600万点以上1,800万点未満」に該当するため、主観等級は「C」になります。
また、御社が東京都の建築工事の入札に参加すると仮定した場合。
最終等級の算定方法
自分の会社の申請業種の客観等級と主観等級を把握した後は、最終等級の算定をしなければなりません。客観等級と主観等級は、あくまでも最終等級を判定するための材料です。
最終等級の算出方法は以下の通りです。
客観等級と主観等級が同じ等級の場合 | 客観等級と主観等級が、同じ場合は、該当の等級が最終等級になります。 |
---|---|
客観等級より主観等級の方がよい場合 | 客観等級より主観等級の方がよい場合、より低い等級である客観等級が御社の最終等級になります。 |
主観等級より客観等級の方がよい場合 | 主観等級より客観等級の方がよい場合、より低い等級である主観等級が御社の最終等級になります。 |
上記の表をまとめると、客観等級と主観等級が同じ場合には、その等級が最終等級になりますが、客観等級と主観等級が異なる場合には、より低い方の等級が、御社の最終等級になるのです。
例えば、道路舗装工事の入札参加資格を取得している会社の客観等級が「B」、主観等級が「C」の場合、その会社の最終等級は「C」になります。
また、一般土木工事の入札参加資格を取得している会社の客観等級が「D」、主観等級が「C」の場合、その会社の最終等級は「D」になります。
東京都公共工事の等級が上がらない原因
ここまで見てきてわかるように、東京都の公共工事の等級は
- 経営事項審査の結果である総合評定値P点
- 過去最高完成工事経歴の請負金額(税込み)
によって、算出されます。しかも、客観等級と主観等級が異なる場合には、より低い方(悪い方)の等級になってしまいます。
たとえ、どんなに経審結果(P点)がよかったとしても、過去最高完成工事経歴の請負金額(税込み)が小さい額しかなければ、等級は上がりません。逆もまたしかりで、どんなに過去に大きい金額の工事を受注した経験があったとしても、経審結果(P点)が悪いと、等級は上がりません。
- 道路舗装工事の客観等級が「D」、主観等級が「C」の場合、最終等級は「D」になります。この会社が最終等級を「C」に格上げしたいと考えた場合、客観等級の算出の根拠となる客観点数(=経営事項審査の結果である総合評定値P点)を改善する必要があります。
- 建築工事の客観等級が「B」、主観等級が「C」の場合、最終等級は「C」になります。この会社が最終等級を「B」に格上げしたいと考えた場合、主観等級の算出の根拠となる主観点数(=過去最高完成工事経歴の請負金額)を改善する必要があります。
つまり、客観点数がよいだけではダメで、主観点数がよいだけでもダメなのです。自分の会社が「客観等級(客観点数)」と「主観等級(主観点数)」のどちらが悪いのか?(どちらの対策が必要なのか?)を見極めたうえで、客観等級が低いのであれば客観点数を上げる対策を、主観等級が低いのであれば主観点数を上げる対策を取っていかなければなりません。
客観点数(客観等級)を改善する方法
客観点数 | = 総合評定値P点 |
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客観点数は、経営事項審査の結果である総合評定値P点のことです。そのため、客観等級をアップさせるには、経審対策が必要になります。
総合評定値P点は「X1評点×0.25+X2評点×0.15+Y評点×0.20+Z評点×0.25+W評点×0.15」という計算式を用いて算出されます。
- X1評点=業種別の完成工事高
- X2評点=自己資本額+平均利益額
- Y評点=経営状況分析
- Z評点=業種別の元請完成工事高+技術職員数
- W評点=その他の社会性
という項目が、それぞれ審査の対象になります。
(X1の改善策)
完成工事高の振替を行っているか?2年平均・3年平均を適切に選択できているか?工事経歴書の作成の仕方(完成工事高の計上の仕方)に問題がないか?という点がチェックポイントになります。
(X2の改善策)
自己資本額の基準決算・2期平均の選択が適切にできているか?過度な節税対策などを行わず、内部留保を増やして行けているか?という点がチェックポイントになります。
(Yの改善策)
別表16の減価償却実施額をきちんと計上できているか?税務申告用の財務諸表を建設業法用に書き換える際に、Y点の失点につながるようなことはしていないか?という点がチェックポイントになります。
(Zの改善策)
元請完成工事高をきちんと計上できているか?技術職員名簿に技術職員をもれなく記載できているか?技術職員が資格を取得するための対策ができているか?という点がチェックポイントになります。
(Wの改善策)
決算時点で「建退協」「退職金制度」「法定外労災」への加入・導入ができているか?「防災協定」を締結している建設業者団代への加入はでいないか?という点がチェックポイントになります。
主観点数(主観等級)を改善する方法
主観点数 | = 過去最高完成工事経歴の請負金額(税込み) |
---|
主観点数は、条件1~3に該当する過去最高完成工事経歴の1番大きい請負金額(税込み)のことです。すこしでも大きい規模の請負金額の工事を受注することが、主観点数を改善する一番の方法になります。
(改善策1)
過度な値引きや採算を度外視した値段で工事を受注していないでしょうか?工事の請負金額がそのまま主観等級の算出の根拠になるため主観等級を上げたければ主観点数(工事1件あたりの請負金額)を上げる必要があります。そのため、過度な値引きや採算を度外視した金額での工事の受注は禁物です。
(改善策2)
過去最高完成工事経歴として入札申請の際に入力するためには、「東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、栃木県、群馬県内において、完成させた工事であること」が工事であることが必要です。上記の都・県以外での工事は、どんなに金額が高くても完成工事経歴として、主観点数の根拠にすることができません。そのため、上記の地域を絞って、受注活動を行うのも1つの手段です。
(改善策3)
金額が小さくても良いので、とにかく公共工事を受注することをお勧めします。主観点数を算出する際の注意点として民間発注の工事は、「工事請負金額(税込み)×1/2」が主観点数になります。例えば、同じ5,000万円の工事であったとしても、その工事が公共工事(自治体から直接受注した工事)であれば5,000万点になりますが、その工事が民間発注の場合、主観点数は2,500万点になってしまいます。そのため、可能であれば、金額が小さかったとしても、公共工事を受注することがお勧めです。
東京都公共工事の等級(ランク)を上げたいとお考えの人へ
ランクが上がれば、受注できる工事の規模が広がり、より大きな案件にも挑戦できるようになります。下記の表をご覧ください。これは、東京都が公表している各工事の等級(ランク)ごとの発注標準金額です(※単位は円です)。
等級 | 舗装 | 土木 | 建築 | 設備 |
---|---|---|---|---|
A | 2億以上 | 3億5千万以上 | 4億4千万以上 | 5千5百万以上 |
B | 8千万~2億 | 1億6千万~3億5千万 | 2億2千万~4億4千万 | 1千8百万~5千5百万 |
C | 3千万~8千万 | 4千万~1億6千万 | 6千万~2億2千万 | 6百万~1千8百万 |
D | 7百万~3千万 | 1千万~4千万 | 1千6百万~6千万 | ~6百万 |
E | ~7百万 | ~1千万 | ~1千6百万 | — |
舗装工事のDランクだと発注標準金額は「3千万円未満」ですが、Cランクだと発注標準金額が「8千万円未満」にアップします。同様に、建築工事のCランクだと発注標準金額は「2億2千万円未満」ですが、Bランクだと発注標準金額が「4億4千万円未満」にアップします。
等級(ランク)の良い方が、より規模の大きい公共工事を受注できる可能性があるわけです。もちろん、自社の規模感に応じて、「C」や「D」の等級の方が、入札に参加しやすいという人もいらっしゃいます。
一方で、少しでも大きい金額の公共工事の入札に参加するべく「E」を「D」、「D」を「C」、「C」を「B」というようにランクのアップを狙っているかたもいらっしゃると思います。規模の大きい公共工事を継続して安定的に受注していきたいという気持ちは、とてもよくわかります。
しかし、そのためには経営事項審査(経審)の点数を適切に引き上げ、過去最高完成工事経歴の受注額を高くしていかなければなりません。即効性のある経審対策もあるにはありますが、経審や入札参加資格の申請を繰り返し行い、数年単位で、手続きを確実に進めていく必要があります。
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