【専門家に聞く】経営事項審査の点数を短期間で引き上げたリアルな成功事例

「経営事項審査の点数を短期間のうちにアップする…そんな夢のような方法があるのだろうか?」と不思議に思っていませんか?実は、それは可能です。経営事項審査の結果である総合評定値P点は、建設会社の公共工事における等級ランクを格付けする際の重要な指標であり、公共工事の入札参加資格や入札結果に大きく影響します。多くの会社がP点の向上を望んでいますが、短期間で効果を出すためには明確な戦略と専門家の的確なアドバイスが必要不可欠です。

今回は、実際に経審のP点を短期間で大幅に引き上げた会社の具体的な事例をもとに、その取り組みや成功の秘訣を専門家に詳しく伺います。

経営事項審査の重要性


経営事項審査の結果である総合評定値P点が伸び悩んで困っている建設会社が多いと聞きます。もし、P点を短期間で引き上げる方法があれば、建設会社の社長たちは、とても喜ぶと思うのですが。


そうですね。私自身の経験から言うと、経営事項審査の申請の仕方次第で、総合評定値P点は大きく変わってきます。きっと、低い点数で停滞してしまっている建設会社は、そういった経営事項審査の特殊性に気付いていないのかもしれません。たとえば、「経審の申請手続きは、誰がやっても一緒」とか「専門家に外注するなんて、費用がもったいないから事務員にやらせればいい」とか。手続き業務の内製化は大事かもしれませんが、なんでも自社でやるというのは、経営事項審査の重要性がわかっていないのかもしれません。


横内先生のおっしゃる経営事項審査の重要性とは?


経営事項審査の結果である総合評定値P点は、入札参加資格の等級格付に直結します。東京都の場合、総合評定値P点は、入札参加資格の際の客観等級を決める基準となります。他県とは異なり、東京都の場合は、客観等級が低いと、主観等級でリカバリーができない。すなわち、経営事項審査で低い点数をとってしまうと、ほかの項目で挽回の余地がないという点に特殊性があります。

にもかかわらず、経営事項審査の仕組みを十分に理解できていない人に申請手続きを任せると、失敗の可能性が高まるのみならず、以後、数年間の公共工事の受注活動に大きな影響を与えるほどのリスクを抱えてしまうことになりかねないのです。

退職金規定の整備でP点が757点から777点へ


そうですか。ところで、横内先生は、東京都の経営事項審査や東京都の公共工事の入札参加資格申請をメインとして、行政書士事務所を運営されていると思うのですが、過去の成功事例をお伺いすることはできますか?


はい。もちろんです。

まずは、単純に退職金規定を整備した会社の成功事例です。この会社は、別の行政書士の先生のもと、数年に渡って経審を受けていたのですが、あまり経審の点数が、かんばしくなかったので、弊所に相談に見えた建設会社です。この会社の過去の経審の申請書の副本および結果通知書を拝見したところ、「退職一時金制度もしくは企業年金制度導入の有無」の箇所が「無」になっていました。この「退職一時金制度もしくは企業年金制度導入の有無」は、経営事項審査の「その他の審査項目(社会性)」という項目で評価の対象になる事項です。いわゆるW評点というやつです。

この会社には、退職金に関する取り決めがありませんでした。そこで、退職金が、従業員のモチベーションアップにつながるのみならず、経営事項審査の点数にもよい影響を与えることを説明し、退職金規定を明文化し、労働基準監督署に届出をしてもらうことにしました。その結果、W点が682点から813点にアップし、P点も757点から777点に引き上げることができました。実に20点もアップしたのです。

この会社の総務の人いわく、以前までお願いしていた行政書士の先生からは、点数を上げるための対策や方法といった話をされることはなく、退職金制度を整備するだけで、これだけ即効性のある効果があるなんて知らなかったとのことでした。

経営事項審査の際に、「どういった項目が審査の対象になり、点数をアップするには、どのような対策をいつまでに行えばよいか?」という視点がとても重要であるということがお分かりいただけたかと思います。


退職金規定を整備するだけで一気に20点もP点が上がるんですね。そういった話は、建設会社の社長も知らないかもしれないですね。


たしかにそうかもしれません。先ほどの会社も、弊所で経審を担当するようになってから、はじめて知ったことですので、通常は、よほど、経審慣れしている会社でない限り、知らないことなのかもしれません。そういった点においても、経営事項審査の手続きを専門家に外注するということは大事なんだと思います。

続いて、建築一式工事のP点が582点から692点へと、1年間で110点もアップした事例です。

完成工事高の振替をして、P点が110点アップ


1年間で110点もアップしたのですか?どんな裏技を使ったのですか?とても気になります。


1年間で110点もアップしたのは事実です。うちの事務所に結果通知書を保管してありますので、嘘ではありません。

いま「どんな裏技を使ったのですか?」と質問されましたが、これは「裏技」でもなんでもないのです。手引きに書いてある「完成工事高の振替」という制度を利用したまでの話です。

この会社は、以前まで自社の事務担当が手続きを行っていました。しかし、点数が500点台と振るわず、弊所のホームページを見て、ご相談に見えたお客さまです。申請書類を拝見したところ、建築工事で東京都の入札に参加したいという希望があるにも関わらず、内装仕上工事と屋根工事の売上を建築一式工事に振り替えることをしないで、建築一式工事の完成工事高が0円のまま、経審を受け続けていました。これは非常にもったいないことです。

手引きには、きちんと記載されているのですが「内装工事や屋根工事」といった専門工事の完成工事高は、「建築一式工事」の完成工事高に振り替えて経審を受けることができるのです。たとえば、各工事の完成工事高が「建築一式工事:0円」「内装工事:1億円」「屋根工事:2000万円」だった場合。この完成工事高をそのまま「建築一式工事:0円」「内装工事:1億円」「屋根工事:2000万円」として経審を受けることはできます。しかし、これでは、内装工事や屋根工事のP点は高くなったとしても、建築一式工事が0円なので、建築一式工事のP点を上げようがないです。

しかし、完成工事高の振替をすることによって「建築一式工事:1億2000万円」として経営事項審査を受けることもできるのです。これにより経営事項審査の審査項目である「工事種類別完成工事高」の評点である「X1評点」が上がり、ひいては、総合評定値P点も上がることに繋がるのです。

「本当に、1年間でP点が110点もアップするのか?」と不思議に思った人もいるでしょうが、対策としては本当にそれだけです。申請の仕方を少し変えてみたというだけのことなんです。この点についても、申請担当者の経験不足というか、手引きの読み込み不足に原因があると思います。ただ、申請担当者を責めるのは酷なことです。「こんなことであれば、もっと早く横内さんのところに頼んでおけばよかった」と社長から言われたのを、とてもよく覚えています。

この会社は、いまでは、区の公共工事を継続して落札できています。

「2年平均か」「3年平均か」の違いでP点に28点もの差


申請の仕方をほんの少し工夫するだけで、そんなに違いが出るものなのですね。もっと話を聞かせて欲しいのですが、その他にも、成功事例はありますか?


はい。

いま話してきたことの他に、「完成工事高を2年平均で申請するか?3年平均で申請するか?」という問題があります。まず、前提として、経営事項審査の審査項目の中には「工事種類別の完成工事高」と「工事種類別の元請完成工事高」という2つの種類の完成工事高が審査項目としてあります。「工事種類別の完成工事高」はX1評点で、「工事種類別の元請完成工事高」はZ評点で、評価の対象になります。

この完成工事高は、「2年平均を選択するか?」「3年平均を選択するか?」によって、総合評定値P点の結果も変わってきます。

弊所のお客さまの中で、完成工事高が4億から2億に半減してしまうお客さまがいらっしゃいました。この会社は、公共工事を落札している会社で、前々期に規模の大きい公共工事を落札できたため、完成工事高が一気に4億まであがったのですが、それ以降は、通常運転に戻り前期も今期も2億円で推移している会社です。

完成工事高が4億円から2億円に下がると聞くと、かなりネガティブなイメージがありますが、「4億円から2億円に下がった」のではなく「公共工事の落札の結果、一時的に4億に上がったものが通常に戻った」とイメージしていただけるとよいと思います。

経営事項審査の際に、完成工事高の2年平均を選択すると、今期2億円、前期2億円で、平均も2億円になります。他方、完成工事高の3年平均を選択すると、今期2億円、前期2億円、前々期4億円の平均ですので、2.6億円になります。その結果、2年平均を選択した場合のP点が666点、3年平均を選択した場合のP点が694点と28点もの差が出てきてしまいます。

弊所で申請する際は、こういった点を考慮して3年平均を選択して、経営事項審査を申請したわけですが、もし2年平均や3年平均の違いを分かっていない人が申請書類を作成したり、過去の推移をよく確認しないまま2年平均で申請をしていたら、30点近くものP点を丸々失っていたことになるのです。

もう1つだけ成功事例を挙げるとすると、「出向社員を技術職員名簿に掲載できない」と勘違いされていたケースもあります。

技術職員名簿の記載の仕方よる18点もの違い


技術職員名簿に関する勘違いですか?


はい。

技術職員の人数や技術職員の保有資格については、「技術力」の審査項目として、経審の際にはZという評点で評価の対象になります。当然のことながら、技術職員の人数が多ければ多いほど、点数によい影響を与えますし、保有資格も2級より1級の方が加点率が高くなります。そんな中、とある電気工事の会社から、経審の依頼を受けました。

その会社は、自社の営業部の社員が経営事項審査の申請を行っていたのですが、「グループ会社からの出向社員を技術職員名簿に掲載することができない」と思い、実際に、技術職員名簿に掲載することなく経審を申請していたのです。しかし、出向社員を技術職員名簿に掲載することはできるので、「できない」というのは、完全な思い込みでしかありません。

実際に、弊所で申請を行うにあたって、「出向社員を技術職員名簿に掲載する場合としない場合」とで、P点の比較を行った結果、18点もの違いがありました。このケースでも、毎年、毎年、20点近くのP点を評価されないまま、経審を受け続けていたことになり、「非常にもったいないことをしていた」という以外に言葉が見つかりません。


確認ですが、これらの事例は、いずれも横内先生の事務所で対応されている実際の事例ということですよね。


はい。もちろんです。

「経営事項審査の点数を短期間で引き上げた会社のリアルな成功事例」というテーマで取材を受けているのに、架空の話をしても意味がないと思い、過去の申請書類の副本を参考にしています。いずれも、弊所のお客さま事例に基づいて、お話しをさせて頂いております。

怖いのは、こういったことに気づかないで、ただただ漫然と経審を受けているような会社です。冒頭にもお話ししましたが「経審の申請手続きは、誰がやっても一緒」とか「専門家に外注するなんて、費用がもったいないから事務員にやらせればいい」という会社は、なかなか細かい点に気づきにくいと思います。

弊所にご相談にお越しになったり、または、経営事項審査の手続きを専門に行っている行政書士の先生に依頼するなどしない限り、自社の申請の間違いに気づくのは、困難であるというのが私の印象です。

総合評定値P点の「平均値」


ところで、話が少しそれますが、経営事項審査の結果である総合評定値P点の「平均値」というのは何点ぐらいなのですか?


総合評定値P点の平均点は、おおよそ700点前後と言われています。国が700点前後が平均値になるように制度設計をしているという話を聞いたことがありますが、私自身の肌感覚としても、やなり700点前後が、可もなく不可もなく平均になっているだろうという認識です。あえて言うと、「500点台=悪い」「600点台=あまりよくない」「700点台=普通」「800点台=良い」「900点台=とても良い」というイメージです。

経審の結果が500点台だからと言って、「公共工事を落札することができないか?」というと、そういうことではありません。規模の小さい工事ですが、500点台の会社であっても、公共工事を落札することはできるでしょう。とはいえ、経審の結果が400点台であるとか500点台の場合、「申請の仕方が間違っている」もしくは「経審の対策ができていない」という印象はぬぐえません。

このインタビューで話したように「退職金規定の充実」「完成工事高の振替」「2年平均・3年平均の選択」「技術職員名簿の書き方の工夫」といった対策を取ることによって、比較的、簡単に経審の点数が上がることがお分かりいただけたと思います。900点台の点数を1000点台にするのは、かなり難しいです。しかし、500点台を600点台にするのは、それほど難しいとは思いません。同じ100点でも、500点台を600点台にアップさせる方が、対策のしがいがあるというものです。

経営事項審査を専門家に依頼することの重要性


なるほどですね。今回のインタビューは非常に勉強になりました。やはり、専門家に手続きを外注する重要性について、再度、考え直す必要がありそうですね。最後に、横内先生からひとことありますか?


今回、お話しさせていただいたケースは、何も私一人の力で、点数アップに貢献できたわけではありません。建設会社の社長はじめ、総務のかたや事務担当者の協力があったからこそ、短期間に点数を引き上げることができたわけです。逆に言うと、そういった協力がなければ、いまもずっと点数は低いままで、公共工事を落札するどころか、経審も早々にあきらめてしまっていたのではないでしょうか?

経営事項審査は、一度の申請結果に左右されず、継続的な改善が重要です。P点を高めることは単に数字を上げることではなく、自社の経営状況をより強固にし、公共工事の受注機会を増やすことに直結します。今回ご紹介した会社も、初めは低い点数でしたが、弊所と連携し計画的に取り組むことで、公共工事の落札という大きな成果を得ることができています。

「自社には難しいかもしれない」と感じている経営者の方もいるかもしれません。しかし、このインタビューで話したような正しい方法で着実に取り組めば、可能性は十分にあります。ぜひ今回の事例を参考にして、専門家のアドバイスを受けながら具体的な目標を設定し、前向きな第一歩を踏み出してみてください。


この度は、長時間にわたってインタビューに応じて頂きありがとうございました。


こちらこそ、ありがとうございました。建設会社のみなさんの参考にしていただければ幸いです。

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